アトピー性皮膚炎が起きないように特定の食品を排除していると、その食品でアレルギーが起こりやすくなる

(2016年5月) "Journal of Allergy and Clinical Immunology" に掲載された研究によると、食品により引き起こされるタイプのアトピー性皮膚炎と診断されている子供の食事からアトピー性皮膚炎を引き起こす食品を排除すると、その排除した食品を子供が誤って食べた時に即時型のアレルギー反応(immediate reaction)が生じるリスクが増加します。出典: Study Suggests Kids with Food-Triggered Eczema Are at Risk for Developing Life-Threatening Food Allergy

即時型のアレルギー反応の内容は、蕁麻疹(じんましん)のように軽度なものからアナフィラキシーのように命に関わるものまで様々です。

研究の概要

食品により引き起こされるタイプのアトピー性皮膚炎と診断された子供298人を調査したところ、特定の食品を食事から排除するようになって初めて即時型の食品アレルギーが生じたという子供が19%を占めていました。 19%のうちアナフィラキシーが生じたのは1/3近くでした。

解説

中~重度のアトピー性皮膚炎患者の30%(大部分が5才未満の子供)において、食品がアトピー性皮膚炎の引き金となります。 このような患者は一般的に、アトピー性皮膚炎を引き起こす食品を食事から排除するように医師に指示されますが、今回の研究によると、そのような方針を修正する必要があるかもしれません。

コメント
研究者は次のように述べています:
「アトピー性皮膚炎の対策としてアトピー性皮膚炎の原因となる食品を食生活から完全に排除した場合には、即時型アレルギー反応のリスクが明らかに増加していました」
「アトピー性皮膚炎の原因となる食品を食生活から完全に排除している場合には、子供にアレルギーが生じた時の行動プランを予め作成しておいたり、アドレナリンの注射を用意しておくなど、食品アレルギーが起こった場合に備えておく必要があります」
「アトピー性皮膚炎という観点からギリギリ許容できる量のアレルギー性食品を子供に食べさせることで即時型アレルギー反応のリスクを抑えられる可能性がありますが、この点については今後の研究で調査しなくてはなりません」