アレルギーを起こしやすいスキンケア製品用防腐剤

(2013年12月) "Journal of the American Academy of Dermatology" に掲載されたコロンビア大学の研究よると、アトピー性皮膚炎などの湿疹のある人は、肌の乾燥・痒み用のスキンケア製品に使われている一部の防腐剤でアレルギーになり易くなります。

その一部の防腐剤とはホルムアルデヒド放出剤(formaldehyde releasers)と呼ばれる物質で、湿疹のある人では皮膚に本来備わっている保護(バリヤー)機能が損なわれているために、ホルムアルデヒド放出剤によるアレルギーのリスクが増加するのだと考えられます。

研究の内容

この研究で 2,500人(うち湿疹のある人は342人)を対象にアレルギー試験を行ったところ、湿疹のあるグループでは次の4種類のホルムアルデヒド放出剤に対するアレルギー反応が増加していました:

  1. クォータニウム-15(quaternium-15)
  2. イミダゾリジニル尿素(imidazolidinyl urea)
  3. DMDMヒダントイン(DMDM hydantoin)
  4. 2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール(2-bromo-2-nitropropane-1,3-diol)
考えられるメカニズム
ホルムアルデヒド放出剤が有害となるメカニズムとしては様々な可能性が考えられますが、この種の化学物質が皮膚の外層を突き破って免疫細胞と結合し、免疫細胞を活性化させている可能性が濃厚です。 ホルムアルデヒド放出剤はいずれもホルムアルデヒドを放出します。
ただし研究者によると、ホルムアルデヒド放出剤によるアレルギーの症状は命に関わるようなものではなく、ウルシにかぶれるのと同程度です。

今回の研究では、湿疹のある人でも、ホルムアルデヒド放出剤ではないパラベンや、ホルムアルデヒド、ジアゾリジニル尿素ではアレルギーのリスクが増加していませんでした。

パラベン
パラベンは70年以上も前から化粧品の防腐剤として使われている物質で、過去の研究によると、パラベンによってアレルギーが生じる人は1%未満です。
研究の内容
アレルギーの専門家は次のように述べています:

「アレルギー反応のリスクは、アレルギーの原因となる化学物質の強力さ、使用量(含有量)、使用頻度、および使用者の体質により決定されます。 パラベンはアレルゲンとしては強力でないため、化粧品類に大量に用いられているにも関わらずアレルギーの原因となることはほとんどありません。

これに対して、クォータニウム-15などのホルムアルデヒド放出剤が使われている製品も含有量も少ないのにアレルギーの原因となることが多いのは、ホルムアルデヒド放出剤そのものとホルムアルデヒド放出剤から放出されるホルムアルデヒドの両方がパラベンよりも強力なアレルゲンであるためです」