野菜を頻繁に食べていると骨粗鬆症になりやすくなる?

(2016年7月) 健康的な食品であるとして推奨されることが多い野菜ですが、"BMC Women's Health" 誌に掲載された同済大学(中国)の研究で、野菜を食べる頻度が高い閉経後の女性は骨粗鬆症であることが多いという結果になりました。出典: A community-based cross-sectional study for relationship of frequency of vegetables intake and osteoporosis in a Chinese postmenopausal women sample

研究の方法

中国に住む平均年齢62才の閉経後女性 1,903人を対象に、食生活に関するアンケートと骨密度の検査を実施し、そうして得たデータに基づいて、野菜を食べる頻度と骨粗鬆症のリスクとの関係を分析しました。

結果
他の要因を考慮しない分析
野菜を食べる頻度に応じて3つのグループ(*)に分けて比較した場合にも、野菜を食べる頻度が高いグループと低いグループの2つに分けて比較した場合にも、野菜をよく食べるというグループに骨粗鬆症の人が多く見られました(統計学的に有意)。
(*) ①週に1~2回、②2日に1回、③常に(毎日)の3つ。

データを3つに分けた時の各グループの骨粗鬆症罹患率は、野菜を食べる頻度が低い順に19.9%24.1%29.5%というものでした。 データを2つに分けた時の骨粗鬆症罹患率は、野菜をあまり食べないグループで20.9%、野菜をよく食べるグループで29.5%でした。

他の要因を考慮した分析

骨粗鬆症のリスクに影響する様々な要因(年齢・運動量・喫煙習慣・病歴など)を考慮した分析でも、野菜を食べることがグループは骨粗鬆症の罹患率が高いという結果でした。 罹患率の増加度は、データを3つに分けた場合で19%の増加、データを2つに分けた場合で34%の増加というものでした。

統計学的な有意性
研究チームによると、上記の結果はすべて統計学的に有意です。 ただし、「他の要因を考慮しない分析」ではp値が0.05未満の場合を統計学的に有意とみなした一方で、「他の要因を考慮した分析」ではp値が0.1未満の場合を統計学的に有意とみなしています。
さらに、「他の要因を考慮した分析」では2つの結果のいずれにおいても95%CI(信頼区間)が1をまたいでいます(0.98~1.44と0.95~1.89)が、研究チームはこの点に触れていません。
解説
野菜にはカルシウムが含まれています(*)が、乳製品に含まれるカルシウムに比べると吸収率が良くありません。 さらに野菜(特にシュウ酸(†)・フィチン酸・タンニン酸を多く含む野菜)は、食品中のカルシウムと結合して不溶性のカルシウム塩を形成し、体がカルシウムを吸収するのを邪魔します。
ただし今回の研究では、カルシウムの摂取量を調べていません。
このような理由により、野菜をよく食べる閉経後の女性には骨粗鬆症が多いという結果になったのではないかと研究チームは考えています。 研究チームによると、食べる野菜の種類の選択(‡)が骨粗鬆症の予防において重要となるかもしれません。

(*) カルシウムを豊富に含む野菜は次のようなものです: ブロッコリーなどアブラナ科の野菜、ほうれん草、ケール、からし菜、大根の葉っぱ、ジャガイモ、豆類。

(†) シュウ酸は結石の原因として有名です(参考記事: カルシウムを摂って腎結石を予防しましょう)。 ほうれん草にはカルシウムだけでなくシュウ酸も多く含まれています。

(‡) シュウ酸・フィチン酸・タンニン酸を多く含む野菜を避けるのが良いということでしょうか。

  • 食品成分ランキングで調べたところ、シュウ酸はホウレン草とココアに断トツに多く含まれています。 他の野菜ではシュウ酸を心配しなくて良いでしょう。 ココアは1回の摂取量が少ないのでホウレン草の方が影響は大きいでしょう。
  • フィチン酸は健康に良い作用もあります。
  • Wikipediaによると、タンニン酸を多く含む食品は茶・柿・ワインです。