傷口を頻繁に洗浄すると治癒が早い

米国の大学の研究によると、糖尿病患者に生じる潰瘍などの慢性的な傷に対してデブリドマンを頻繁に行うことで、傷の治りが早くなります。 デブリドマン(壊死組織切除)とは、メスや特殊な軟膏を用いて、治りの遅い傷から死滅あるいは感染した組織や、異物、細菌を取り除くことで、普通は傷の初回の治療にのみ行います。

研究グループは、31万件(患者数は約15万人以上)ほどの傷治療のデータを調査しました。

データに含まれていたのは、糖尿病患者の潰瘍や、事故などによる切り傷などの外傷で、傷の洗浄(デブリドマン)が行われた回数は平均で2回でした。 傷の種類によって治るのに要する時間は異なりましたが、デブリドマンを頻繁に行うほど傷の治りが早い傾向にありました。

例えば、糖尿病患者の足に生じる潰瘍の場合、デブリドマンを2週間以上に1度しか行わない場合には、傷が治るのに要する期間は平均で76日でしたが、デブリドマンを週に1度以上行う場合には、この期間がわずか21日だったのです。

傷部外傷の場合も、通常は14日程度で治りますが、デブリドマンの頻度が最も少ないケースでは、治るまでに49日間かかりました。

傷口には、細菌がバイオフィルムと呼ばれるコロニーを形成して増殖します。 研究者によると、デブリドマンで傷の治りが早くなるのは、歯磨き口内に形成されるバイオフィルム(歯垢)をこすり落とすのと同様に、デブリドマンによって傷口にバイオフィルムが形成されるのが阻止されるからかもしれません。

ただし、デブリドマンは歯磨きほど簡単に行えるものではなく、コストもかかるうえに、患者は痛みを感じます。 さらにデブリドマンによって患者が感染症にかかるリスクもあります。

さらに、今回の研究では、デブリドマンを頻繁に実施された患者は、医師の指示に良く従う傾向も見られたため、患者のそのような姿勢のために傷の治りが早くなった可能性も否定できません。 あるいは、例えば週に一度デブリメントのために通院する場合、患者がそのときに病院で受けるデブリメント以外の処置が傷の回復に有効に作用した可能性もあります。

研究者によると、いずれにしても、こまめな通院は患者にとって有益です。