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ブロッコリーの健康効果を最大限に引き出す食べ方

スルフォラファン=グルコラファニン+ミロシナーゼ

ブロッコリーなどのアブラナ科の植物に含まれるスルフォラファンという成分はガン・関節炎・肥満の予防などへの効果が期待されていますが、このスルフォラファンは生のブロッコリーを砕いたり噛んだりしたときに、ブロッコリーに含まれるグルコラファニンとミロシナーゼという物質が接触することによって生産されます。

したがって、スルフォラファンを摂取するにはブロッコリーにグルコラファニンとミロシナーゼが十分に残っている必要があるのですが、これらの物質は保存や調理により壊れてしまいます。

保存によるグルコラファニンの減少

ウォーリック大学(英国)の研究によると、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツなどのアブラナ科の野菜は、室温あるいは冷蔵庫で保存するのであれば7日間が経過してもグルコシノレート(有機化合物の一種で抗ガン作用を持つ。 グルコラファニンはグルコシノレートの一種)の量はわずかしか減りません。

一方、-85℃という低温で冷凍する場合には、解凍中に野菜の組織が傷むためにグルコシノレートが最大で33%失われてしまいます。 ただし、一般家庭用の冷凍庫の温度は-18℃程度です。

アブラナ科野菜を保存するときには細かく切り過ぎない方が良いでしょう。 細かく刻んでしまうと、わずか6時間でグルコシノレートの含有量が最大で75%も減ってしまいます。

調理法により異なるグルコラファニンとミロシナーゼの残存量

結論から言えば、スルフォラファンを摂ることを目的にブロッコリーを食べる場合には3~4分間蒸すのがベストです。 茹でてしまうとグルコラファニンもミロシナーゼも大量に失われますし、電子レンジで調理するとミロシナーゼが破壊されてしまいます。

グルコラファニンの残存量

ウォーリック大学(英国)の研究によると、ブロッコリーに含まれるグルコラファニンなどのグルコシノレート(有機化合物の一種で抗ガン作用を持つ)の量が、ブロッコリーを5分ゆでると20~30%、10分ゆでると40~50%、30分ゆでると77%失われます。

さらに、①蒸す(0~20分)、②電子レンジで調理する(0~3分)、③強火で炒める(0~5分)という3通りの調理方法を試したところ、グルコシノレートはほとんど減っていませんでした。

ミロシナーゼの残存量

イリノイ大学の研究で、ブロッコリーを ①茹でる、②電子レンジで加熱する、③蒸すという3通りの方法で調理し、ブロッコリー中にミロシナーゼがどれだけ残っているかを比較したところ、ブロッコリーを5分間蒸したときにミロシナーゼが最も多く残っていました。 ブロッコリーを茹でる、あるいは電子レンジで加熱した場合には、1分以内にミロシナーゼの大部分が破壊されてしまいました。

冷凍ブロッコリーからスルフォラファンを摂る方法

市販の冷凍ブロッコリーは製造工程におけるブランチング(ゆでる、蒸すなどの加熱処理。野菜の酵素や微生物の働きを止めることで加工や保存中の変化を防ぐ)によりミロシナーゼが失われています。

しかしながらイリノイ大学の研究によると、ミロシナーゼが失われてグルコラファニンだけが残っている冷凍ブロッコリーであっても、ミロシナーゼを含んでいる他のアブラナ科の野菜を生で同時に食べることでスルフォラファンが作られます。

ミロシナーゼを含んでいる野菜は、キャベツや、クレソン、マスタード、わさび、西洋わさび、ハツカダイコン(ラディッシュ)などです。
研究チームによると、冷凍野菜のメーカーが現在の業界水準よりも低い温度でブランチングを行えば、ミロシナーゼの大部分が破壊されずに残るようになります。 現在は86℃でブランチングが行われていますが、これを76℃で行うと良いのだそうです。 76℃でも冷凍ブロッコリーの安全性と品質に変わりはありません。
試験で確認

この方法の効果は試験で研究チームが行った確認されています。 試験では、被験者を2つのグループに分けて、一方のグループにはミロシナーゼが含まれていないブロッコリーの加工物(錠剤)だけを服用してもらい、もう一方のグループには同じ錠剤を服用するのと同時にミロシナーゼを含有する野菜も食べてもらいました。

その結果、ミロシナーゼを含有する野菜も食べたグループにおいて、血液と尿から検出されるスルフォラファンの量が有意に増加していました。