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果糖が過食の原因に?

(2014年12月) 米国神経精神薬理学会で発表(2015年5月に "Proceedings of the National Academy of Sciences" オンライン版に掲載)された南カリフォルニア大学の研究で、果糖を摂取した後にはブドウ糖を摂取した後に比べて食欲が強いという結果になりました。 今回の結果から、果糖の摂取が過食に寄与している可能性が示唆されます。

ブドウ糖と果糖

ブドウ糖は脳を含む体のエネルギー源として利用される糖で、パンや果物など炭水化物を含んでいるほぼ全ての食品中に存在します。 果糖は果物などに含まれています。

ショ糖(いわゆる砂糖)はブドウ糖と果糖から出来ています。 ブドウ糖と果糖は単糖で、ショ糖は二糖です。 ショ糖・果糖・ブドウ糖はいずれも単純炭水化物に分類されます。

果糖では満腹感を感じるうえで重要となる数種類のホルモン(インスリンなど)の分泌が促進されません。
過去の研究の結果
  • 果糖を摂取してもブドウ糖を摂取したときほどは満腹感ホルモンの血中濃度が増加しなかった。
  • ネズミの脳にブドウ糖または果糖を直接塗布するという実験では、ブドウ糖を塗布したときにはネズミに満腹感が生じたのに対して、果糖を塗布したときにはネズミがエサを食べ始めた。
  • ヒトを対象に行われた複数の研究でも、ブドウ糖(おそらく食べた)では視床下部の活性が低下する(満腹感を示す)のに対して、果糖では活性の低下が見られなかった。
今回の研究

今回の研究では、16~25才の男女24人にブドウ糖または果糖の入った飲み物を飲んでもらった後に、高カロリーの食べ物(チョコレートケーキなど)の画像を見せて画像の食品をどの程度食べたいかを尋ね、その時の脳の反応を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて撮影しました。

食品の画像を見ることによって被験者の側坐核(脳の報酬回路の一部)が活性化して食欲が生じますが、ブドウ糖飲料を飲んだときに比べて、果糖飲料を飲んだときの方が側坐核の活性化の度合いが大きくなっていました。

さらに、被験者自身(おそらくブドウ糖と果糖どちらを飲んだかは知らされていない)の評価でも、ブドウ糖飲料よりも果糖飲料を飲んだときの方が空腹感および画像の食品を食べたいという気持ちが激しいという結果でした。