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妊娠中に果糖を摂り過ぎると胎児の成長が損なわれる恐れ

(2016年5月) "Scientific Reports" 誌に掲載されたワシントン大学セントルイスの研究によると、妊娠中の果糖摂取量が多いと胎盤に異変が生じて胎児の成長が妨げられる可能性があります。出典: High-Fructose Diet During Pregnancy May Harm Placenta, Restrict Fetal Growth

果糖は果物やハチミツなどの自然な食品にも含まれていますが、健康上の悪影響が問題視されているのは清涼飲料水などの加工食品に大量に含まれている果糖です。

果糖の悪影響
概要
妊娠中のマウスに果糖を大量に含むエサを与えると尿酸と中性脂肪が増加(*)して、普通のエサを与えた場合よりも胎盤が大きく、しかし胎児は小さくなりました。
(*) 果糖は肝臓で分解されて中性脂肪に変わります。 その際に尿酸値を押し上げます。 過剰な尿酸は、肥満や2型糖尿病などの代謝疾患のリスクを増加させます。
解説

ヒトは遺伝子的に、胎児のときに成長が抑制された分を出生後に補うようにできています。 そのため、胎児のときに果糖によって成長を妨げられた人は生まれてから肥満などの健康問題に悩まされることが増えると考えられます。

果糖の悪影響があるのは胎児だけではありません。 果糖によって尿酸と中性脂肪が増えた妊婦では、妊娠高血圧腎症妊娠糖尿病のリスクが増加します。

ヒトでもマウスと同じ
概要

予定帝王切開を行った妊婦18人(尿酸値に影響するような疾患は有していない)を対象に果糖摂取量と胎盤の尿酸値との関係を調べたところ、果糖摂取量が多いと尿酸値が高いという関係が認められました。

解説

ヒトでもマウスの場合と同様に、果糖の摂り過ぎが胎児と母体に悪影響を及ぼす可能性があります。

果糖対策
概要
果糖を大量に含むエサを与えられている妊娠マウスにアロプリノール(*)を投与したところ、大量の果糖により胎盤で増加した尿酸値が下がって母体と胎児への悪影響が解消(reverse)されました。
(*) 尿酸値を下げる薬。 痛風や腎結石の治療に用いられる。
解説
妊娠中には果糖の摂り過ぎに気をつけるべきですが、果糖を摂り過ぎている妊婦にはアロプリノールを処方するのが有効かもしれません。 アロプリノールは胎盤を通過して胎児に届きますし、妊娠後期であれば胎児にも安全であると考えられています。