20代から健康的な食生活をしておくのが心臓の健康に良い

(2013年4月) "American College of Cardiology" の会合で発表予定の米国の研究によると、若い頃に野菜や果物をよく食べておくことで、20年後に心臓発作のリスク要因が生じていることが少なくなる可能性があります。 ただし、男性では野菜や果物に、このような効果を期待できないようです。

過去の複数の研究では、野菜や果物が食事に占める割合が大きい中年女性に心臓発作や脳卒中が少ないことが示されていますが、若い頃の食事内容が後の心臓疾患のリスクに及ぼす影響についてはよく分かっていませんでした。

そこで今回の研究では、若いころの野菜・果物摂取量と20年後の冠状動脈石灰化(CAC)との関係を調べました。 CAC は、冠状動脈に蓄積するプラーク(カルシウムの沈着)の量を CT スキャンで調べることによってスコアを割り出します。

研究の方法
この研究ではまず1980年代半ばに、18~30才(平均25才)の男女 2,508人を対象に、過去一ヶ月間のあいだに食べた野菜や果物の種類と量に関するアンケートを実施し、野菜と果物の摂取量に応じて 2,508人を3つのグループ(摂取量が多い、普通、少ない)に分類しました。

そして20年後(2005~2006年。平均年齢45才)に、電子線コンピュータ断層撮影を用いて CAC を測定しました。冠状動脈壁におけるカルシウムの蓄積は心臓疾患の初期の兆候であり、CAC が存在する人では後に心臓発作を起こすリスクが相当に増加します。

結果
このような調査の結果、若い頃の野菜・果物の摂取量が多かった(2,000 kcal あたり8~9食分)女性では、40代の時点で動脈にカルシウムが沈着している人の割合が、野菜・果物の摂取量が少なかった(2,000 kcal あたり3~4食分)女性に比べて40%少なくなっていました。 この関係は、40代の時点での食事内容やその他の生活習慣を考慮したうえでなお存続していました。

研究者は次のように述べています:

「今回の研究により、①(動脈における)プラーク蓄積が一生をかけて進行してゆくものであること、そして②若い頃から健康的な食事をしておくことでプラークの蓄積に歯止めをかけられることが確認できました」


今回の研究において、男性では女性と同じような野菜・果物による効果が見られませんでした。 他にも同じような結果になった類似研究がいくつか存在しますが、何故そのような結果になるのか理由は不明です。 今回の研究について言えば、男性が少なかった(女性が62.7%)のも一因かもしれません。

これらの結果は、喫煙習慣、運動習慣、赤身肉や砂糖の使われた清涼飲料水の摂取量などの食事習慣、および心血管疾患のリスク要因などアテローム性動脈硬化のリスクに影響する要因を考慮したうえでのものです。また、1日あたりの摂取カロリーが極度に多いあるいは少ない人はデータから除外しました。

野菜や果物にはビタミンや、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質などの栄養素がたっぷり詰まっています。 野菜中心の食事が成人病や肥満の対策として全般的に有益であることは各種の研究によって示されています。