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南国の果物で糖尿病のリスクが増加し、温帯地域の果物でリスクが下がる?

(2017年2月) これまでの研究で、果物を食べる量が多くても2型糖尿病(以下「糖尿病」)のリスクが必ずしも下がるわけではないという結果になっていますが、"American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたシンガポール国立大学などの研究によるとそれは、果物の出身地によって糖尿病のリスクへの影響が異なるからかもしれません。

日本などの温帯地域に生育する果物を食べると糖尿病のリスクが下がる一方で、熱帯地域に生育する果物を食べると糖尿病のリスクが上がるという結果だったのです。

研究の方法

45~74才で糖尿病・ガン・心臓病・脳卒中ではない中国系シンガポール人男女4万5千人超を対象に果物の摂取量に関するアンケートを実施し、その後10年以上にわたり糖尿病の発症状況を追跡調査しました。

結果

追跡期間中に5千人超が糖尿病を発症しました。

果物全体

温帯・亜熱帯・熱帯に生育する各種の果物をトータルした分析では、男性でも女性でも果物摂取量と糖尿病リスクとのあいだに明確な関係が見られませんでした。 男性ではリスクが増加し、女性ではリスクが低下するという傾向がありましたが、統計学的な有意性に問題がありました。

果物のタイプ別

女性では、温帯地域に生育する果物(リンゴなど)を1日に1食分以上食べる習慣がある場合に、そのような果物を滅多に食べない場合に比べて、糖尿病のリスクが21%低下していました。 亜熱帯や熱帯地域に育成する果物に関しては、習慣的に食べていても糖尿病のリスクは下がっていませんでした。

男性では、グリセミック負荷が高い果物(バナナなど)を1日に1食分以上食べる習慣がある場合に、そのような果物を滅多に食べない場合に比べて、糖尿病のリスクが51%増加していました。 グリセミック指数が中程度あるいは低い果物では、このようなことはありませんでした。

生育地域とグリセミック負荷

上記の女性の結果では生育地域(温帯・熱帯・亜熱帯)により果物が区分されていますが、男性の結果ではグリセミック負荷により果物が区分されています。

そうすると、熱帯・亜熱帯地域に生育する果物はグリセミック負荷が高いのかという疑問が生じます。 グリセミック負荷が高いバナナは確かに熱帯地域の果物ですが、グリセミック負荷が高い果物=熱帯・亜熱帯地域の果物なのでしょうか?

そこで、各種果物のグリセミック負荷について調べてみました。 下記の表のソースはハーバード大学のサイトAlive Raw FoodsAl Sears という医師のサイトの3つです。

サイトによってグリセミック負荷の数値が大きく異なりますが、熱帯地域に生育する果物のグリセミック負荷が高いとは言えそうです。
温帯地域に住むアジア人を調べた研究だから熱帯地域の果物で糖尿病のリスクが増えていたということでもないのでしょうけれど、果物の生育地域と糖尿病リスクとの関係に人種も影響していると面白いですね(例えば黒人は熱帯地域の果物をたくさん食べても糖尿病のリスクは増えないなど)。

グリセミック負荷
果物 ハーバード Alive Raw Al Sears
いちご 3.6
ブラックベリー
ラズベリー
さくらんぼ 3.7
ブルーベリー
ブドウ 8(黒) 6.5
アプリコット
プラム(すもも) 1.7
6.9
2.2
リンゴ 6.2(皮付き)
マスクメロン 7.8
スイカ 7.2
オレンジ 7.2
キーウィ 5.2(皮付き)
グレープフルーツ 2.8
マンゴー 12.8
パパイヤ 6.6
パイナップル 11.9
バナナ 11 12 12.2

「君たちキーウィ、パパイヤ、マンゴーだね」という歌がありますが、キーウィは熱帯の果物というわけではありません。 マンゴーは日本の南部でも栽培されていますが、インドとタイが主要な産地なので熱い地域で育つ果物でしょう。
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