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野菜・果物を食べることが多いと認知症になりにくい

(2017年2月) "fontiers in Aging Neuroscience" 誌に掲載された西南医科大学(中国)の研究(メタ分析)で、野菜・果物を食べることが多い人は認知症や認知障害(*)になることが少ないという結果になりました。
(*) 認知障害(Cognitive impairment)は、カナダの定義では軽度認知障害(MCI)と認知症を併せた概念ですが、認知障害を「認知機能の1つ以上の領域(短期的記憶力・注意力・判断力など)における機能低下」と定義している説明もあります。 今回の研究では後者の意味で使われているのかもしれません。
研究の方法
野菜・果物を食べる頻度と認知障害や認知症になるリスクとの関係について調べた9つの研究(*)のデータを分析しました。 データに含まれる人数は3万1千人超で、認知障害および認知症の発生件数は 4,583件でした。
(*) コホート研究が5つとクロスセクショナル研究が4つ。
結果

野菜・果物を食べる量が多い場合には、認知障害や認知症になるリスクが20%低下していました。

研究チームの計算によると、野菜・果物を食べる量が1日あたり100g増えるごとに、認知障害や認知症になるリスクが13%ほど下がります。

ただし、データを細かく分けて分析すると、「野菜・果物を食べる量が多いと認知障害や認知症になるリスクが低い」という関係が見られたのは、65才以上に限って分析した場合と男女を区別せずに分析した場合だけでした。

平均年齢が65才未満のデータ・男性だけのデータ・女性だけのデータに限った分析では、統計学的に有意な結果は得られませんでした。

類似研究

2015年に発表されたラッシュ大学の研究(今回のメタ分析には使われていない)では、平均年齢81才の高齢者954人の食生活を調べたのち平均5年間にわたり認知能力の状態を追跡調査し、1日に青葉の野菜を1~2食分食べる場合には全く食べない場合に比べて認知能力が11才も若いという結果になっています。

解説
野菜・果物を食べることが多いと認知症や認知障害になりにくい理由として、以下が考えられます:
  • 野菜・果物には抗酸化物質が豊富に含まれている。 脳は酸化ストレスに非常に弱いが、抗酸化物質には酸化ストレスを抑制する作用がある。 動物実験では、抗酸化物質にニューロンのダメージを防ぎ認知機能を改善する効果のあることが示されている。
  • 一部の野菜や果物には葉酸塩などのビタミンB類も豊富に含まれているが、ビタミンBも認知機能に関与している可能性がある。参考記事: ビタミンB類が認知症予防の効果を発揮するにはオメガ3脂肪酸が必要
ただし、野菜や果物を頻繁に食べる人は生活習慣が全般的に健康的で、それゆえに認知機能が低下しにくいという可能性も残っています。 大部分の研究では、データを分析する際に生活習慣などの要因を考慮しますが、それでもそういった要因の影響を結果から排除しきれていない可能性があります。