(2017年2月) "International Journal of Epidemiology" に掲載されたインペリアル・カレッジ・ロンドンなどの研究(メタ分析)によると、心血管疾患(心臓病や脳卒中)・ガン・早死にを予防するには野菜と果物を積極的に食べると良いかもしれません。
研究の方法
野菜・果物の摂取量と心血管疾患・ガン・早死にのリスクとの関係について調べた95の研究のデータを分析しました。 データに含まれる人数は200万人、心臓病の症例数は4万3千件、脳卒中の症例数は4万7千件、ガンの症例数は11万2千件、死亡件数は9万4千件でした。
データの分析においては、体重・喫煙習慣・身体活動量・食生活全体といった様々な要因を考慮しました。
「1食分」の定義
このメタ分析では、80gの野菜または果物を「1食分」とみなしました。 80gという摂取量は、果物で言えば小ぶりのバナナ1本、小ぶりのリンゴ1個、小ぶりの梨1個、大きめのマンダリン(みかんの仲間)1個に相当します。 加熱調理済みの野菜で言えば、ほうれん草・えんどう豆・ブロッコリー・カリフラワーなどの野菜を山盛りの大さじで3杯に相当します。
結果
野菜・果物の健康効果は1日あたり800g(10食分)食べる場合に最大で、野菜・果物をまったく食べない場合に比べて、心臓病のリスクが24%、脳卒中のリスクが33%、ガンのリスクが13%、早死にのリスクが31%下がっていました。
野菜・果物を1日あたり200g食べるだけでも、心臓病のリスクが16%、脳卒中のリスクが18%、ガンのリスクが4%、早死にのリスクが15%下がっていました。
心血管疾患と早死に
心臓病・脳卒中・早死にのリスクは、次の野菜・果物の摂取量が多い場合に低下していました:
- リンゴ
- 梨
- 柑橘系の果物(オレンジやグレープフルーツ、レモン、みかんなど)
- 葉野菜(レタス・ほうれん草・チコリなど)
- アブラナ科の野菜(ブロッコリー・キャベツ・カリフラワーなど)
ガン
ガンのリスクは、次の野菜・果物の摂取量が多い場合に低下していました:
- 緑色野菜(ほうれん草やサヤインゲンなど)
- 黄色野菜(パプリカや人参など)
- アブラナ科の野菜
解説
野菜・果物の摂取量が多いと病気や早死にのリスクが下がる理由として、研究者は以下を挙げています: