遺伝子的に太りやすい体質に対抗するには運動が有効

(2016年3月) "Obesity" 誌に掲載されたニューカッスル大学などの研究により、遺伝子的に肥満しやすい体質の人は運動によるダイエット効果が大きいことが明らかになりました。

研究の方法
欧州に住む成人男女 1,280人のFTO遺伝子(*)のタイプと、運動量、肥満度を調べて分析しました。 運動量は加速度計を用いて計測しました。 BMIとウェストのサイズは被験者の自己申告によります。
(*) 脂肪量と肥満リスクに関与する遺伝子。
結果

FTO遺伝子のタイプにより肥満リスクが高いと判断されたグループは、体重・BMI・ウェストのサイズすべてにおいて肥満度が高くなっていました。

BMI

そしてこのグループにおいては、中強度に相当する運動によりFTO遺伝子のBMIの影響が緩和されていました。 このグループをFTO遺伝子的に肥満リスクが低いグループと比べた時のBMI増加幅が、運動量が少ない場合には遺伝子的なリスク要因(全部で2つ)が1つ増えるごとに1.06だったのに対して、運動量が多い場合には僅か0.16だったのです(ただし、p値は 0.388)。

ウェスト・サイズ

ウェスト・サイズにおいても同様に、FTO遺伝子的に肥満リスクが低いグループと比べた時の増加幅が、運動量が少ない場合には2.72cmだったのに対して、運動量が多い場合には0.49cmに過ぎませんでした(P = 0.005)。

結論

今回の結果から、先天的な太りやすさ(遺伝子による肥満リスク)に後天的な生活環境の改善(運動習慣)で対抗することができると考えられます。

遺伝子的に肥満しやすい体質の人の割合

"International Journal of Obesity" に 2009年に掲載された愛媛大学の研究では、愛媛県の住人 2,806人のデータにおいて約32%に当たる895人(男性394人)が遺伝子的に肥満しやすい体質の人であるという結果になっています。

"Nutrition Research and Practice" 誌に 2012年に掲載された韓国の研究では、4,600人ほどのデータにおいて20%(男女率はほぼ同じ)が遺伝子的に肥満しやすい体質となっています。