口や腸に住んでいる菌が結腸ガンを促進する

(2013年8月) "Cell Host & Microbe" 誌に掲載された2つの研究により、フソバクテリア(Fusobacterium nucleatum)が免疫応答を悪い方向に促進して結直腸(盲腸を除く大腸)の腫瘍が形成される原因となっていることが明らかになりました。

最近の複数の研究でフソバクテリアというヒトの口や腸などに住んでいる細菌が結腸ガンの患者の体組織に多数存在していることが示されていますが、この細菌が腫瘍の形成に直接関与しているかどうかはわかっていませんでした。
1つ目の研究

2つのうち一方の研究(ハーバード大学など)は、ヒトの腺腫(良性だが悪性になる可能性のある腫瘍)にフソバクテリアが大量に存在していることを明らかにしました。 さらに、研究グループが行ったマウス実験では、フソバクテリアに引き寄せられた骨髄性細胞(免疫細胞の一種)が腫瘍に侵入して炎症応答(ガン化を誘導する)を起こすことで、主要の形成が促進されていることが示されました。

2つ目の研究

もう一方の研究(ケースウェスタン大学)では、フソバクテリアが自らの表面に存在するFadA(Fusobacterium adhesin A)と呼ばれる分子を用いて、ヒトの結直腸ガン細胞に付着および侵入していることが明らかになりました。 FadA は結直腸ガン細胞に侵入したのち、ガンの成長に関わる遺伝子群を起動して、ガン細胞の炎症応答を刺激し、腫瘍の形成を促進します。 こちらの研究ではさらに、線種または結直腸ガンの患者から採取された体組織において FadA の量が有意に多いことも示されました。

ケースウェスタン大学の研究者は次のように述べています:
「FadA をマーカーとして用いて、結直腸ガンの早期診断に役立てることができます。 また、今回の研究で、結直腸ガンの治療・予防のターゲットの候補も特定できました」