胆石の病歴があると冠動脈疾患になるリスクが増加

(2016年8月) "Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology" 誌に掲載されたテュレーン大学(米国)の2つのメタ分析によると、胆石の病歴がある人は冠動脈疾患になるリスクが高くなります。

メタ分析①

7つの研究のデータを分析したところ、胆石の病歴がある場合には冠動脈疾患のリスクが23%増えていました。 データに含まれる人数は84万人超、冠動脈疾患の症例数は5万件超でした。

メタ分析②
上述の7つとは別途の3つの研究のデータを分析したところ、胆石と冠動脈疾患でリスク要因が共通している(*)ために、胆石の病歴がある場合に冠動脈疾患のリスクが増加していました。 リスクの増加幅は男女で同程度でした。
(*) 胆石と冠動脈疾患はリスク要因が似ています。 糖尿病・肥満・高コレステロール値・高血圧・不健康な食生活などが両者に共通するリスク要因です。
こちらの3つのデータでは興味深いことに、胆石の病歴があると胆石以外の面(*)には問題がなくても冠動脈疾患のリスクが増加していました。
(*) 肥満・糖尿病・高血圧。
解説

胆石により冠動脈疾患のリスクが増加する理由は不明ですが、胆石が胆汁酸の分泌に影響するために冠動脈疾患のリスクが増えているのかもしれません。 胆汁酸は心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスク要因に関与しています。

胆石と冠動脈疾患の関係に腸内細菌が関与している可能性も考えられます。 胆石の患者は腸内細菌叢に異常が生じることが知られています。