賭博常習者には鬱の人が多い

(2015年5月) "Journal of Gambling Studies" に掲載されたキューベック大学の研究で、賭博の常習者には抑鬱に悩まされる人が多いことが明らかになりました。

研究の方法

この研究では、低所得地域出身の男性888人を幼稚園の頃から追跡調査したデータを分析しました。 データの内容は、男性たちの育った家庭環境・子供の頃の衝動性・人間関係、そして17才、23才、および28才の時点における賭博習慣と鬱症状の有無でした。

結果

888人のうち17~28才にかけてギャンブル依存症(chronic gambling problems)が顕著になったのは3%でした。 この数字は、成人全体におけるギャンブル依存症の罹患率が1~3%だというのと合致します。

ギャンブル依存症を抱えている男性の大部分(73%)に抑鬱症状が見られました。 ギャンブル依存症と抑鬱症状は一方が悪化するともう一方も悪化する傾向にありました。 抑鬱およびギャンブル依存症のリスクは、非常に衝動的な男性で高くなっていました。

解説

この結果は「賭博常習者の大部分は生粋のギャンブラーではなく精神衛生上のトラブルが原因でギャンブルにのめり込む」という説を支持するものです。

今回のデータを見る限り、ギャンブル依存症は大人(28才)になれば治るというものではありません。 その理由は、ギャンブルが暴力行為や万引き(窃盗)などと違って成人になれば合法であるからかもしれません。

研究者は、ギャンブル依存症の治療を抑鬱の治療と同時に行うことを提案しています。 抑鬱のリスクは親子間の強い関係によって減らせますが、ギャンブル依存症はそうとも限りません。 子供をギャンブル依存症にしないためには、極度の衝動性や子供の人間関係(不良との付き合い)などのリスク要因に早期に対処するのが有効だと思われます。