胃バイパス手術で糖尿病が良くなるのは手術後のカロリー制限のおかげ?

(2013年4月) "Diabetes Care" 誌に掲載された米国の研究によると、2型糖尿病の患者も、減量手術を受けた人に求められる厳格なカロリー制限と同じカロリー制限を行うことで、減量手術を受けた場合と同程度に血糖値が下がります。

研究者は次のように述べています:

「減量手術を受けた後には糖尿病の症状が急速に改善されますが、これまでその理由が減量手術にあるのか、減量手術に伴うカロリー制限にあるのかわかっていませんでした。

今回の研究で、糖尿病の症状改善が減量手術ではなく減量手術後のカロリー制限のおかげであることが明らかになりました」
研究の方法
この研究では10人の患者を対象に、減量手術を行わずに減量手術後に要求される標準的なカロリー制限だけを実施した場合と、ルーワイ胃バイパス術という減量手術を行ったうえで同じカロリー制限を実施した場合とで血糖値を比較しました。
ルーワイ胃バイパス術
胃バイパス手術(ルーワイ法)とは、重度の肥満者に対して用いられる減量手術のことです。 この手術では、胃を大きい部分と小さい部分の2つに分けて、小さい部分にも小腸を接続します。 食べた物は、小さい部分に入ったのち、胃の大きい部分と十二指腸(胃と小腸をつなぐ消化管)を迂回(バイパス)して、小腸に入ります。

カロリー制限の期間はいずれも10日間で、その間の被験者たちの摂取カロリーは2,000 kcal/日でした。 これは、胃バイパス術を受けた患者の摂る一般的なカロリーです。

結果

10日間の期間中にカロリー制限だけの場合(こちらを先に行った)と減量手術&カロリー制限の場合との絶食血糖値を比較したところ、血糖値の減少量は、前者で21%、そして後者で12%でした。

標準的な食事の後の血糖値低下量は、カロリー制限だけの場合で15%、減量手術&カロリー制限の場合で18%でした。 (「標準的な食事」というのは、普通の人のする食事ということでしょうか?)

この結果から、胃バイパス術の後に糖尿病が良くなる理由が、胃バイパス術ではなく胃バイパス術後のカロリー制限にあることが示されます。 過去の研究によると、胃バイパス術を受けた患者の67%で、1年以内に2型糖尿病が寛解します。

しかしながら、研究者によると、2000 kcal/日という極端なカロリー制限は、減量手術を行わないことには長期間実施するのはほぼ不可能だそうです。