胃バイパス手術によって2型糖尿病が治る仕組みが明らかに

(2013年7月) 体重の減少によって糖尿病が改善されることは少なくありませんが、胃バイパス手術を行った後には体重が減るのに先立って2型糖尿病が解消されるケースがあります。

そのメカニズムは不明ですが、ボストン子供病院の研究グループが行った動物実験により、これまで受動的な臓器であると考えられてきた小腸がその鍵を握っていることが明らかになりました。

胃バイパス手術の後には小腸がブドウ糖を利用したり処分したりすることで体の他の部分の血糖値を調節するようになり、そのために2型糖尿病が解消されていたのです。
胃バイパス手術(ルーワイ法)
ルーワイ胃バイパス術とは、重度の肥満者に対して用いられる減量手術のことです。 この手術では、胃を大きい部分と小さい部分の2つに分けて、小さい部分にも小腸を接続します。 食べた物は小さい部分に入ったのち、胃の大きい部分と十二指腸(胃と小腸をつなぐ消化管)を迂回(バイパス)して小腸に入ります。
メカニズム

胃バイパス手術の施術前には、腸には GLUT-1 が含まれていないのが普通です。 GLUT-1 はブドウ糖を輸送するタンパク質であって、血流中からブドウ糖を取り出して利用するという役割を持っています。

今回の研究によると、胃バイパス手術の施術後には腸自体の作用によって腸に GLUT-1 が存在するようになります。 これによって、血流中からブドウ糖が取り出され処分されるようになるために、体全体の血糖値が速やかに安定します。

今回のネズミの実験では、胃バイパス手術によって2型糖尿病が100%解消しました。 そのうち、64%が腸による解消でした。 残りの36%については、体重の減少やその他の要因によって2型糖尿病が解消されたと考えられます。

今後
将来的には、手術によらずに小腸に GLUT-1 が生じるようにする方法の開発が望まれます。 研究者は次のように述べています:
「今後の研究により、バイパス(迂回)手術をバイパス(迂回)する方法が見つかるかもしれません。 脳や他の臓器と違って腸は手が届きやすいですし、腸の細胞は寿命が短いため、研究や薬理学的な操作を行う際に長期的な問題が発生しにくいのです」