世間を欺く製薬会社のゴースト・マネージメント。 効果も安全性も定かでない医薬品に社会が負担する金額が17倍に及ぶことも

(2016年6月) "Accountability in Research" 誌に掲載された論文によると、医薬品に対する規制が弱かったり誤解を招きかねないマーケティングが行われたりしているために、高価なくせにリスクが高くてベネフィット(有益性)も少ない薬を処方するように医師が誘導されている恐れがあります。

概要

この論文によると、製薬会社は「ゴースト・マネージメント」と呼ばれる手法で自分たちに都合の良い研究論文を発表させることによって、収益性がギリギリ(marginal)の医薬品の有効性と安全性を偽り、目新しい効果があるかのように見せかけ、その薬の収益性を増加させることがあります。

ゴースト・マネージメントとは

"Plos One"(2007年)に掲載された "Ghost Management: How Much of the Medical Literature Is Shaped..." によるとゴースト・マネージメントとは、当該の論文の主要な執筆者として製薬業界ではなく学会に属する研究者の名前を掲げるけれども、データの分析や論文の執筆・発表などの各場面において製薬会社(あるいはその代理機関)が影響力を行使するという行為のことです。

つまり、製薬会社に属さない研究者を隠れ蓑として製薬会社が自社にとって都合の良い研究を行うことだと言えるでしょう。

コメント
研究者は次のように述べています:

「この研究では、製薬業界と癒着している研究者が製薬業界に都合の良いようにデータを収集・分析して恣意的な結論を導き出すために、薬を処方する医師が 『この薬(例えば「新しい」抗鬱剤)が安全で効果的である』 という印象を受けることが示されました」

「既存の薬よりも効果が薄く安全性が優れているというエビデンスも存在しない薬が、値段だけは17倍であるというケースもありえます」