ベータ作用薬&ショウガ抽出物のコンボが喘息の治療に有望

(2013年5月) "ATS 2013 International Conference" で発表されたコロンビア大学の研究によると、ショウガの抽出物に喘息治療に有効かもしれません。 ショウガに含まれる成分が、ベータ作用薬のリラックス効果を増幅してくれるというのです。

ベータ作用薬は喘息治療に用いられる気管支拡張薬で、気道平滑筋(ASM)の組織をリラックスさせる作用があります。

ショウガ抽出物とイソプロテレノールの併用
研究グループはまず次のような実験を行いました:
  1. ヒトから採取した ASM 組織のサンプルをアセチルコリン(気管支収縮の原因となる神経伝達物質)に暴露させることで収縮させる。
  2. 次に、ベータ作用薬のイソプロテレノールをショウガに含有される3種類の化合物(6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、6-ショウガオール)のそれぞれと別個に混ぜる。
  3. こうして用意された、①イソプロテレノール & 6-ジンゲロール、②イソプロテレノール & 8-ジンゲロール、③イソプロテレノール & 6-ショウガオール、および④イソプロテレノールのみのそれぞれに、ステップ1で収縮させたASM組織を暴露させてリラックス反応を記録し、それらを比較する。

このような実験の結果、④の場合よりもショウガ抽出物とイソプロテレノールの混合物(①②③)のほうがリラックス効果が大きいことが明らかになりました。 ①②③のいずれも④より効果が大きかったのですが、その中でも③が最も有効でした。

ショウガ抽出物が作用するメカニズム

研究グループは次に、ショウガ抽出物がベータ作用薬の効果を増幅させるメカニズムを調べました。 その結果、上記の3種類のショウガ抽出物がいずれも、リン酸ジエステラーゼ4D(PDE4D) という肺に存在する酵素を阻害していることが明らかになりました。 PDE4D は過去の研究により、ASM をリラックスさせ炎症を減少させるはずのプロセスを阻害することが示されています。

6-ショウガオールの作用

研究グループはさらに、6-ショウガオールについては、F-アクチン・フィラメントを速やかに分解する作用があることも突き止めました。 F-アクチン・フィラメントは、ASMの収縮に関与している球状のタンパク質です。

結論と今後の予定

研究グループは、これらのショウガ抽出物をベータ作用薬と共に用いることで、喘息症状の緩和における相乗効果が期待できると結論付けています。

研究グループでは今後、これらのショウガ抽出物を吸入により投与した場合の有効性などについて調べる予定です。