グラスの形やサイズによってワインを注ぐ量が変わる

(2015年12月) "PLOS ONE" に掲載されたケンブリッジ大学などによる研究で、グラスのサイズや形によってグラスに注ぐワインの量を少なく感じたり多く感じたりするという結果になりました。
Rachel Pechey, Angela S. Attwood, Dominique-Laurent Couturier, Marcus R. Munafo, Nicholas E. Scott-Samuel, Andy Woods, Theresa M. Marteau. Does Glass Size and Shape Influence Judgements of the Volume of Wine? DOI: 10.1371/journal.pone.0144536 (Licensed under CC BY 4.0)
研究の方法

360人の被験者にPC(またはスマートホン)を用いたオンラインの試験に参加してもらいました。 試験では、画面上に表示されているグラス(指標グラス)に入っているワインと同量と思われるだけのワインを、同じく画面上に表示されている空のグラスにPC操作により注いでもらいました。

試験は空のグラスの種類(*)と指標グラスに入っているワインの量を変えて(†)9回行われました。

(*) 幅広のグラス・大きなグラス・幅広で大きなグラス。 幅広のグラスは横幅が指標グラスよりも20%広いが容量は同じ。 大きなグラスは容量が指標グラスより25%大きい。

(†) 125ml、175ml、または250ml。
9通りの試験に用いられたワイングラスと適正なワインの量
結果
  1. 空グラスが幅広であると、指標グラスに入っているワインの量が多い場合に被験者が注ぐワインの量は指標グラスよりも30mlほども少なめだった。
  2. 空グラスが大きなグラスであると、指標グラスに入っているワインの量に関わらず、被験者が注ぐワインの量は多めだった。指標グラスのワインの量が少ないほど空グラスに注がれるワインの量は多く、125mlのときには30ml近くも多かった。
  3. 空グラスが幅広で大きなグラスであると、指標グラスのワインが125mlと175mlであれば空グラスに注ぐワインの量が増えたが、250mlの場合には指標グラスとほぼ同量のワインを注いだ(*)
  4. 3種類のグラスのいずれについても、指標グラスのワインの量が少ないときに比べて多いときの方が、同種の空グラスに被験者が注ぐワインの量が比較的少なかった。(†)

(*) 250mlの場合については統計学的に有意ではなかった。

(†) 指標グラスと空グラスの比較ではなく、同じ種類の空グラスに注がれるワインの量が指標グラスのワインの量により変わるという話。
試験の結果を表す折れ線グラフ
結論
グラスの形状と容量が内容物の量の認識に影響する可能性があります。 小さめのグラスを使うことで同じワインの量でも普通のサイズのグラスのときより多く感じる(結果の2番目)とすれば、それを利用して飲酒量を減らせるかもしれません。
研究チームによると、「コップに~杯」というのを目安に1回の飲酒量を決定する人であれば今回の研究結果を利用できるかもしれません。 逆に、酒瓶の残量を見てどれだけ飲んだか、あとどれだけ飲むかを判断するタイプの人には全く通用しないでしょう。
留意点

ワインを注ぐ量が減ってもお酒を飲む量に違いが出ない可能性があります。 また、ワインを飲む量がグラスのサイズや形状に影響されるにしても、ワイン以外のお酒には当てはまらない可能性もあります。

今回の研究には、実験が実物のワインではなくワインの画像を用いて行われただけでなく、画像のサイズや品質が表示環境により様々に異なっていたという弱点があります。