緑内障患者は四つんばいになって腰を高く上げたくなっても我慢が必要

(2016年1月) 逆立ちの姿勢により眼圧亢進(IOP)が2倍に上昇することが過去の研究で示されていますが、"PLOS ONE" に掲載された New York Eye and Ear Infirmary of Mount Sinai(米国)の研究によると、眼圧が上がるために緑内障の患者にとって危険となる姿勢が他にもあります。

緑内障とは

緑内障は、眼圧(眼の内部に存在する体液の圧力)の上昇などによって網膜と視神経の損傷が数年をかけて進行し、視力が損なわれるという病気です。 緑内障による視力喪失は、視野の周辺あるいは横側から始まります。 放置していると視野欠損と呼ばれる状態になり、やがては失明に至ります。

現在の技術では、緑内障で失われた視力は戻せないため、病気の進行を阻止するのが治療の目的となります。 進行を阻止あるいは鈍化させるうえで有効な治療ターゲットは、現在のところ眼圧亢進だけです。 緑内障は失明の原因として白内障に次いで世界第二位です。

研究の方法
緑内障患者のグループと健常者のグループを被験者として、次の5つの時点でIOPを測定しました:
  • ヨガのポーズを取る前に座った姿勢で
  • ポーズを取った直後
  • ポーズを維持した状態で2分が経過してから
  • ポーズを解除して座った姿勢に戻った直後
  • 座った姿勢に戻ってから10分後

被験者に取ってもらったヨガのポーズは、"downward facing dog"・"standing forward bend"・"plow"・"legs up the wall" という頭部を下にするポーズや仰向けになって脚を持ち上げるポーズでした。

結果

緑内障患者も健常者も4つのポーズのすべてにおいてIOPが上昇していました。 IOPの上昇幅が最も大きかったのは "downward facing dog"(四つんばいになって腰を高く上げ山型になるポーズ)でした。

座った姿勢に戻ってから10分後の計測でも大部分のケースでIOPは、ヨガのポーズを取る前に座った姿勢で計測した時点よりもわずかに高い状態でした。

健常者と緑内障患者とでIOPの上がり方に劇的な差は見られませんでしたが、この点に関しては今後の研究で詳しく調べる必要があります。

コメント
研究者は次のように述べています:

「緑内障患者にも運動が推奨されますが、腕立て伏せ・ウェイトリフティング・頭が下に来るポーズが関わる運動などのようにIOPの上昇を招き視神経を傷つけかねない運動は避ける必要があります」

「ヨガ教室に通っているのであれば、先生に緑内障のことを伝えてポーズに修正を加えてもらいましょう」