高脂肪・低炭水化物の食事療法が、放射線治療との併用でグリオーマに効果

(2012年12月) "PLOS ONE" に掲載された St. Joseph's Hospital and Medical Center(米国)の研究によると、食事療法と放射線治療の組み合わせが脳腫瘍の治療に有効です。

この研究では、ケトン誘発食(ケト原性食事)と放射線治療を併用した場合の、悪性グリオーマ(神経膠腫)に対する有効性を調べました。

ケトン誘発食とは、高脂肪・低炭水化物の食事のことで、小児性の癲癇のうち普通の治療法に反応しないタイプのものを治療するのに用いられていますが、脳のホメオスタシスに影響を与えることから、他の神経疾患の治療にも用いられます。

グリオーマとは、脳腫瘍のなかでも侵攻性が強く死亡率の高いタイプのものです。
研究の方法

今回の実験では、高度な悪性グリオーマのあるマウスたちを2つのグループに分け、一方には普通の食事、そしてもう一方にはケトン誘発食を与えました。 そして、両方のグループ(の一部?)に放射線治療を施しました。

結果

その結果、ケトン誘発食を与えられたグループでは、普通のエサを与えられたマウスと比べて、中央値で5日間近く長生きしました。

さらに、ケトン誘発食を与えられたうえで放射線治療を受けたマウスたちは、11匹のうち9匹において、食事を普通の食事に変えた後も、200日を超えて腫瘍の再発が見られませんでした。

一方、普通のエサを与えられたグループ(普通のエサを与えられたうえで放射線治療を受けたグループ?)では、33日を超えて生存したマウスはいませんでした。

考えられる理由
ケトン誘発食と放射線治療の併用にこのような効果が見られた理由として研究グループは、ケトン誘発食により成長因子刺激(growth factor stimulation)が減少したために腫瘍の成長が阻害されたのではないかと考えています。 また、ケトン誘発食は腫瘍近辺の炎症と浮腫も減少させると見られています。