GLP-1アナログ製剤で膵臓のβ細胞が疲弊する?

(2016年2月) "Cell Metabolism" 誌に掲載予定である Karolinska Institutet(スェーデン)などの研究(マウス実験)によると、リラグルチドという2型糖尿病用の薬を長期間服用しているとインスリンを生産する膵臓のβ細胞が劣化して血糖値が上がるする可能性があります。

リラグルチドについて

リラグルチドはGLP-1アナログ製剤の一種です。 GLP-1アナログ製剤はGLP-1と呼ばれるインクレチン・ホルモン(消化管ホルモンの一種)の類似化合物で、β細胞を刺激することによってインスリンの分泌量を増やします。

リラグルチドは、少なくとも短期間においては有効ですが、リラグルチドの効果が見られない患者が少なからず存在しますし、吐き気・嘔吐・下痢などの副作用が生じる患者もいます。

研究の方法

ヒトのβ細胞を前眼房(眼球の内部)に移植されたマウスにリラグルチドを250日間という長期間にわたり毎日投与し、移植したβ細胞にどのような影響が生じるかを観察しました。

結果

投与開始からしばらくはβ細胞(の能力)が改善しましたが、その後はβ細胞が疲弊してグルコースに反応して分泌されるインスリンの量が減少しました。

研究者は次のように述べています:
「長期的な治療計画の一環としてGLP-1アナログ製剤の処方を検討するときには、今回の結果を考慮する必要があります」