高血糖が動脈硬化や高血圧の原因になるメカニズム

ワシントン大学およびボストン大学の研究によると、ヒトなどの脊椎動物が呼吸や血流を作り出すのに必要とするタンパク質が高血糖によりダメージを受けます。

このタンパク質はエラスチン(対義語はコラーゲン)と呼ばれるもので、柔軟性に富み、心臓や肺、動脈などのように伸縮を繰り返す臓器に存在します。

エラスチンが伸縮を繰り返すには、強誘電性(ferroelectricity)という性質が必要なのですが、今回の研究で、エラスチンが糖に暴露されると強誘電性が遅くなる、あるいは停止することが明らかになりました。 強誘電性が損なわれると組織が硬化し、ついには間膜(ligament)や動脈が劣化します。

この研究で、エラスチンを糖で処理したところ、ブドウ糖により強誘電性の働きが最大で50%抑制されました。 この際の糖とタンパク質の相互作用は糖化を模倣していました。 糖化というのは、糖の分子がタンパク質に付着して、付着された分子の構造と機能を劣化させることです。 糖化は、加齢や糖尿病高血圧、動脈硬化に関与しています。

今回の研究では動脈の組織のみを扱いましたが、研究者は、動脈と同様にエラスチンを含有する肺や皮膚にも今回の発見が適用されると考えています。