グルテン摂取量と2型糖尿病リスクの関係

(2018年8月) "Diabetologia" 誌に掲載されたハーバード大学の研究で、グルテン(小麦・ライ麦・大麦などの穀物に含まれるタンパク質)の摂取量が多いと2型糖尿病になるリスクが低い(あるいはグルテンを避けようとすると2型糖尿病のリスクが増加する恐れがある)という結果になりました。
Geng Zong et al. "Gluten intake and risk of type 2 diabetes in three large prospective cohort studies of US men and women"

研究の方法

米国に住む概ね健康な女性16万人および男性4万2千人弱を対象に、グルテンの摂取量などを2~4年おきにアンケートで調べつつ2型糖尿病の発生状況を平均20年間ほどにわたり追跡調査しました。

結果

追跡期間中に1万6千人弱が2型糖尿病になりました。

グルテン摂取量に応じて5つのグループに分けたなかで、摂取量が最少のグループに比べて他の4つのグループでは2型糖尿病になるリスクが次のように低下していました:
  • 摂取量が下から2番め: -11%
  • 摂取量が中程度: -16%
  • 摂取量が上から2番め: -22%
  • 摂取量が最大: -20%
穀類由来の食物繊維の摂取量も考慮して分析すると次のようになりました:
  • 摂取量が下から2番め: -9%
  • 摂取量が中程度: -12%
  • 摂取量が上から2番め: -17%
  • 摂取量が最大: -13%
グルテン摂取量が12g/日(*)に達するまでは、グルテン摂取量が多いほど2型糖尿病のリスクが低いという関係が見られました。

(*) 12g/日というグルテン摂取量は決して多くありません。 1日にスパゲッティを一皿食べるだけで到達する水準です。

食品成分データベースによると、スパゲッティ乾麺100g中に含まれるタンパク質の量は約12g(小麦粉では約10g)です。 そして、小麦のタンパク質のうち75~80%がグルテン(ソースは Wikipedia)なので、スパゲッティ乾麺100g中に含まれるグルテンの量は9~10g程度となります。

解説

研究グループは「グルテン摂取量を制限すると食物繊維などの有益な栄養素の摂取量まで減ってしまう」と述べています。
「グルテン摂取量の制限」という表現が登場することから、今回の研究の趣旨は「2型糖尿病予防のためにグルテンの摂取量を増やそう」というのではなく「(グルテン・フリーの食生活を意識するなどの理由で)グルテンの摂取を制限していると2型糖尿病のリスクが増える恐れがある」ということなのだと思います。