糖分で肌が老化する

糖化(糖鎖形成)というプロセスによって生じる最終糖化産物(AGE)という物質が、顔や体のシワが増加する原因になります。 AGE が、コラーゲンやエラスチンなど若々しい外見を保つ上で重要となるタンパク質に影響するのです。

AGE の発生

AGE は糖化によって生産されますが、その糖化には体内で行われるものと、体外で行われるものの2種類があります。 つまり、体内で AGE が生産される場合と、体外で生産された AGE が体内に取り込まれる場合とがあるわけです。

体内で作られる AGE は、血流中の糖質がタンパク質とくっついて糖化が行われることで生産されます。 糖分の摂取量が多いほど、体内で作られる AGE の量が増加します。

他方、体外では AGE は、炭水化物などの糖質をタンパク質や脂質とともに加熱(調理)したときに作られます。 したがって、例えば、ドーナツや、ケーキ、焼き鳥、バーベキューなどには AGE が多く含まれています。

糖化は、温度が低くても長時間の加熱によって起こりますが、120℃以上の加熱で急速に進行します。 特に、焼く・炒めるなどのように水分が無い状態で高温で行われる調理方法で AGE が多く発生します。 したがって同じ食品であっても、 低温で焼くか、または煮る・炊く・蒸すなど水を用いることでAGE の発生を避けられます。

AGE の作用

AGE には、タンパク質繊維(コラーゲンとエラスチン)を硬化させて歪める作用があり、AGE にやられたタンパク質は、色が落ちて弱くなり、柔軟性が失われます(つまり脆くなるということですね)が、このようなタンパク質の変質は、シワや肌の老化として皮膚の表面に表れます。

さらに AGE は、人体に本来備わっている抗酸化酵素から活性を奪います。 抗酸化酵素が機能しなくなった肌は、太陽光に含まれる紫外線によるダメージを受けやすくなってしまいます。

10代や20代の頃には AGE が肌にもたらすこれらの悪影響も平気ですが、年を取ってコラーゲンやエラスチンの生産能力が衰えるにつれて、35才くらいから糖化によるダメージ(シワやタルミ)が目に見えるようになってきます。

また、AGE は、コラーゲンへのダメージ以外にも、コラーゲンの種類が変わってしまう原因になります。 ヒトの皮膚に存在するコラーゲンの大部分は、タイプI、タイプII、およびタイプIIIという3種類のコラーゲンで、このうちタイプIIIのコラーゲンが最も安定的で長持ちなのですが、糖化によってタイプIIIのコラーゲンが脆弱なタイプIのコラーゲンに変わってしまうのです。 タイプIIIのコラーゲンがタイプIのコラーゲンに変化すると、肌から若さが失われた状態になってしまいます。

AGE 対策
幸いにも、糖化(AGE)が原因でダメージを受けた肌は回復させることができます。
  • ビタミンAのクリームを塗る
    ビタミンA(レチノール)には、皮膚におけるコラーゲンの合成を促進する作用があります。 ビタミンAのクリームでコラーゲンを新しく作り出したうえで、以下を実行すると良いでしょう。
  • 糖質を控える

    糖質を控えるといっても、糖化の原因となる糖質を完全に絶つことはできません。 果実に含まれる果糖などの糖分はもちろん、穀物や野菜に含まれる炭水化物も、消化されると糖質に変化するのですから。

    したがって AGE の発生を防止する目的で糖質を控える場合、実際的には、(炭水化物ではなくて)砂糖の使用を控えることになります。 目安としては、砂糖に由来するカロリーが1日の総摂取カロリーの10%未満となるようにします。 これは例えば、45歳で身長162cmの女性であれば、160kcal程度になります。 160Kcalというと、ティースプーンに砂糖10杯(350mlのコーラ1缶程度)に当たります。 特に、ブドウ糖果糖液糖などの異性化糖は、他の種類の糖よりも AGE の生産量が多いと考えられています。

    糖質を控えようとする際には、砂糖が添加されていない食品にも糖分が含まれているケースがあることに注意しましょう。 例えば、100%果汁のジュースは健康的なイメージとは裏腹に、大量の糖分を含んでいます。 参考記事: 100%果汁ジュースがコーラ以上に肥満の原因に
  • ビタミンB1 と B6 を積極的に摂る
    ビタミンB1 と B6 は複数の研究で、AGE の生産を阻害することが示されています。 ビタミンB1は1.1mg、ビタミンB6 は1.3mg(50才以降は1.5mg)摂るようにすると良いでしょう。
  • 日焼け止めを毎日塗る
    AGE は、太陽光にさらされた部分で生産量が増加しますが、日焼け止めでこれを防ぐことが出来ます。 日焼け止めは、UVAも防いでくれるブロードスペクトラムというタイプで、SPF30 以上のものを選ぶと良いでしょう。参考記事: 日焼け止めを日常的に使用すると肌の老化が鈍化する
  • 抗酸化物質を摂取&塗る
    抗酸化物質は、糖がタンパク質にくっつくのを阻止して糖化を妨げる作用を助けてくれます。 果物や、野菜、木の実など抗酸化物質を豊富に含む食品を食べたり、ビタミンC やEを含むクリームを縫ったりして、体の内側と外側から AGE を困らせてやりましょう。