(2017年10月) "Carcinogenesis" 誌に掲載された テキサス大学などの研究によると、食物繊維の含有量が多くてグリセミック指数が低い食生活が腎臓ガンの予防に役立つ可能性があります。
グリセミック指数とは、食品と血糖値(血液中のブドウ糖の量)の上がり方の関係を表す数値のことです。 食後の血糖値やインスリン反応はガンの発生に関与しています。 食品に含まれる食物繊維を多く含む食品はグリセミック指数が低くなります。
研究の方法
腎細胞ガン(*)と診断されて間もない患者854人と健康な男女 1,255人を対象に食生活に関するアンケート調査を実施して、食生活のグリセミック指数とグリセミック負荷と糖質(糖類を除く)摂取量を調べました。
そして、グリセミック指数・グリセミック負荷・糖質の摂取量のそれぞれに応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間で腎細胞ガンのリスクを比べました。
(*) 最も一般的なタイプの腎臓ガン。
結果
グリセミック指数
食生活のグリセミック指数が最も高いグループは最も低いグループに比べて、腎細胞ガンのリスクが32%高いという結果でした。ただし、統計学的な有意性が微妙でした。
高血圧を抱えている人に限ると、この数字は167%でした(統計学的な有意性にも問題がなかった)。 BMIが高い人(おそらく肥満者?)に限ると、この数字は195%でした(統計学的な有意性にも問題がなかった)。
食物繊維の摂取量
食物繊維の摂取量が最も多いグループは最も低いグループに比べて、腎細胞ガンのリスクが30%低いという結果でした。
糖質の摂取量
糖質(糖類を除く)の摂取量が最も多いグループは最も低いグループに比べて、腎細胞ガンのリスクが35%低いという結果でした。