グリコール・エーテルで先天性異常のリスク

(2012年10月) "Epidemiology" 誌に掲載されたフランスの研究によると、仕事場で頻繁に溶剤に暴露されている妊婦では、生まれてくる子供に先天性異常のあるリスクが増加する可能性があります。

研究の方法

溶剤への暴露と新生児の奇形との関連を調べるために、3,400人超の妊婦を対象に次の2つを実施しました:

  • 溶剤を含有する11種類の製品への暴露や職業に関するアンケート調査
  • 代表的な溶剤であるグリコール・エーテル類と塩素系溶剤の代謝物10種類を対象とする尿検査
グリコール・エーテルと塩素系溶剤

塩素系溶剤とグリコール・エーテルはいずれも、濃度の高いガスでは人間に毒性があり、特にグリコール・エーテルは先天性異常と胎児の発達トラブルの原因となることが動物実験によって明らかになっています。

今年(2012年)の初めに発表された研究でも、仕事先で溶剤に暴露される妊婦では胎児に心臓の先天的な欠陥が複数できるというリスクが指摘されています。
結果

生まれた赤ちゃんに重度の奇形(*)のあった女性のうち45%が仕事先で日常的に溶剤に暴露されていました。 これらの女性の職業は主に、看護婦・薬剤師・清掃人・理容師・美容師でした。

(*) 口蓋裂・尿路奇形・男性器奇形

一方、赤ちゃんに先天性異常の無かった女性では、勤務先でこれらの溶剤に日常的に暴露されていたのは28%でした。

そして尿検査では、トリクロロ酢酸とグリコール・エーテル類(塗料・洗剤・化粧品などによく使われている)への暴露が多い女性で赤ちゃんに重度の奇形(*)が生じることが多いという結果でした。
(*) 口蓋裂・尿路奇形・手足の奇形