カリフォルニア州で遺伝子組換え食品の表示義務付け法案が否決

(2012年11月)カリフォルニア州で米国で初めて遺伝子組換え(GMO)食品の表示を義務付けるか否かの州民投票が行われましたが、表示義務付けが否決されました。 賛成票46%に対して反対票54%でした。
GMO作物

米国では現在、トウモロコシ・綿・大豆などのGMO作物が栽培されています。 これらのGMO作物は、殺虫剤や病気への耐性が付くように改造されています。 殺虫剤への耐性というのは、強力な殺虫剤で作物まで枯れてしまわないようにするためのものです。

栽培されたGMO作物は、家畜のエサにされるほか、加工されてシリアル(コーンフレーク)やビスケット類、清涼飲料水などに用いられます。
法案の内容

今回の法案(Proposition 37)の中身は、2014年を目処に、食品の容器に「遺伝子組替え食品を一部に用いて製造されています」または「遺伝子組替え食品を一部に用いて製造されている可能性があります」という表示を義務付けるというもので、レストランで提供する料理や、GMO作物で育てられた家畜の肉や牛乳は適用を除外されていました。

第三者機関による分析では、この表示義務を適用するためのコストは1年あたり100万ドルになります。

企業努力

農業や化学関連の企業は今回の投票で、GMO表示の義務付けに反対するキャンペーンに 4,600万ドルも費やしました。

米国はGMO食品の味・外見・栄養に有意な違いが認められないという理由でGMO食品に「この食品は遺伝子組替え食品です」と表示することを義務付けていないため、今回の法案がカリフォルニア州で可決されていれば、米国の方針に一石を投じる効果が期待されていました。 それだけに農業・化学企業も必死だったのです。

米国では今年、10以上の州でGMO表示法案が出されましたが、いずれも否決されています。

GMO推進勢力の言い分

この法案に反対していた農業・化学企業のスポークスマンは次のように述べています:

「こんな法案が通っても、官僚の権限が増大し、コストが余分にかかる上に、(表示義務付けの)抜け道や適用除外だらけになるだけです」

この言い分は、制度の現実的な欠陥を指摘したものではありますが、消費者にとってGMO食品の表示義務付けが有益であるかどうかについて述べたものではありません。

米国以外の状況
世界全体では GMO作物の生産が増加しており、2011年の時点では耕作されている作物の10%がGMO です。 EUはGMOに厳しく、GMO作物の栽培が許可されているのがトウモロコシとジャガイモだけであるうえに、GMO食品である旨の表示も義務付けられています。