純金ナノ粒子が配合された化粧品が加齢や小ジワの原因に

(2013年4月) "Nanotoxicology" 誌に掲載された米国の研究によると、パーソナルケア用品や医療目的などに用いられている純金(ゴールド)のナノ粒子が脂肪の貯蔵を阻害し、その結果、加齢と小じわの増加が加速され、傷の治りが遅くなり、さらに糖尿病の発症リスクが増加します。 これまで純金のナノ粒子は不活性で無害だと考えられていました。

研究の内容

この研究では、脂肪組織を含む複数の種類の細胞について、ごく少量のナノ粒子に暴露されることで基本的な機能が撹乱されるかどうかを試験しました。

その結果、純金のナノ粒子がヒトの脂肪間質細胞(成体幹細胞の一種)を瞬く間に突き破り細胞内に蓄積すること、そしてそのように蓄積したナノ粒子を除去する経路が見当たらないことが明らかになりました。

解説

このように細胞内に存在する純金のナノ粒子は、次のような細胞の機能を撹乱します: 細胞分裂・コラーゲンの収縮・傷の治癒に必要なプロセス。

研究グループによると、純金のナノ粒子が細胞内に入り込むことで最も問題となるのは、ナノ粒子が遺伝的調節とRNAの発現に干渉し、および(脂肪間質細胞が)成熟した脂肪細胞に分化するのを阻害する点です。

脂肪間質細胞は、肌・神経・骨・毛髪などの複数の器官の再生に関与していますが、今回の研究によると、ナノ粒子に暴露された脂肪間質細胞は(脂肪細胞への)分化に必要なシグナルを無視するようになります。 純金のナノ粒子によって、アディポネクチン(血糖値の調節や脂肪酸の分解に関与するタンパク質)の量も減少します。

上述のように、細胞内に蓄積した純金のナノ粒子を除去する経路は見当たりませんが、実験で人為的にナノ粒子を除去すると細胞の機能が回復しました。