痛風がある人では糖尿病のリスクが増加。 特に女性は要注意

(2014年10月) "Annals of the Rheumatic Diseases" オンライン版に掲載された研究で、痛風がある人では2型糖尿病になるリスクが増加するという結果になりました。

このリスク増加は女性で顕著で、痛風のある女性は無い女性に比べて糖尿病のリスクが2倍になっていました。

過去の研究でも痛風が糖尿病のリスク要因となる可能性が示されていましたが、その研究は心臓疾患と脳卒中のリスクが高い男性のみを対象に行われたものでした。

この研究では、The Health Improvement Network(THIN)と呼ばれる英国の健康データベースのデータ(全英477箇所の診療所から集めた)を調査しました。 データベースに含まれる人数は750万人近くにものぼります。

今回の研究では、このデータベースの中から、20才以上で1年分以上の記録がある患者のデータのみを用いました。

1995~2010年のうちに新たに痛風と診断された患者の数は 35,339人で、このグループを痛風ではない(他の理由で診察を受けた)患者 137,056人のグループと比較しました。 痛風のグループと性別・年齢・BMIが釣り合うように、痛風でないグループのデータを調整しました。

BMI が両グループで釣り合うようにしたのは、痛風でも2型糖尿病でも肥満が強力なリスク要因となるためです。

THIN には、飲酒量や、喫煙習慣、診療所の利用状況、持病およびその治療状況などのデータも含まれていました。

調査結果
新たに痛風と診断されたのは男性が72%で平均年齢は62才でした。 痛風と診断された女性の平均年齢は67才でした。

痛風と診断されたグループの人たちはいずれも飲酒習慣があり、痛風ではないグループに比べて、診療所の利用頻度が高く、持病が多く、ステロイドと利尿薬を頻繁に使用していました。

そして、痛風のグループでは、そうでないグループに比べて糖尿病の新規罹患率(new case rate)が有意に高くなっており、痛風のグループでは糖尿病の率が 9.6/1000 人年(*)であったのに対して、痛風でないグループでは 6.7/1000人年でした。
(*) 人年(person year)=患者数×年数
糖尿病のリスク要因は男性の方が多かったのですが、罹患率はいずれの年齢層でも女性の方が高く、男性の罹患率が 9.5/1000人年であったのに対して、女性は 10.1/1000人年でした。 一方、痛風でないグループでは、男性の罹患率が 7.2/1000人年で、女性の罹患率が 5.6/1000人年でした。

糖尿病の絶対リスクの(痛風グループと非痛風グループの)差は、女性では 4.5/1000人年、男性では 2.3/1000人年となります。

相対リスクで言えば、女性では痛風による糖尿病のリスク増加度が71%であるのに対して、男性では22%に過ぎないということになります。

今回の研究は観察研究なので、この結果をもって痛風と糖尿病とのあいだに因果関係があるとは言えませんが、痛風患者に一般的に見られる慢性的な低レベルの炎症によって糖尿病の発症が促進されている可能性があります。

研究チームは、痛風患者(特に女性)は、糖尿病のリスク要因を検査し、リスク要因がある場合には速やかに解消しておくべきだと結論付けています。