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妊娠回数は老化ペースに影響しない

(2017年10月) "Plos One" に掲載されたノースウェスタン大学(米国)などの研究で、妊娠した回数とテロメアの長さとの間に関係が見られないという結果になりました。

テロメアについて

テロメアとは、染色体の両端にあって染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆき、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で「細胞老化」により細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

テロメアはこのような性質のために、肉体の老化度を測るための指標として用いられます。

今回の研究について

これまでの研究で、出産回数が2~3回の女性は出産回数が2回未満や4回以上の女性よりも心臓病や脳卒中で死亡するリスクが低いことが示されています。

そこで今回の研究チームは、2~3回の出産に細胞の老化を遅らせる効果があるのではないかと考えて今回の研究を行いましたが、研究チームの仮説とは違って、2~3回の出産をした女性でもテロメアが長いわけではない(細胞の老化が鈍化しているわけではない)という結果となりました。

研究の方法

38~45才(平均年齢41.5才)の女性620人の妊娠回数とテロメアの長さを調べました。 そして、妊娠回数に応じて4つのグループ(*)に分けて、グループ間でテロメアの長さを比較しました。
(*) 0回・1回・2~3回・4回以上。

結果

4つのグループの間でテロメアの長さに違いが見られませんでした。

出産回数が2~3回の女性が心臓病や脳卒中で死亡するリスクが低いのは、テロメアの長さ以外の理由によるのだと思われます。