ブドウ(皮ごと)のポリフェノールが変形性膝関節症に有効

(2014年5月) "Experimental Biology" の会合で発表されたテキサス女子大学の研究によると、ブドウを日常的に食べることで変形性膝関節症による痛みが軽減され、関節の可動性が向上し、動作が楽になるるかもしれません。 この効果は、ブドウに含まれるポリフェノール類(レスベラトロール?)のお陰だと考えられます。
変形性関節症
変形性関節症は、関節においてクッションとして作用する軟骨がすり減るために起こります。 変形性関節症は膝に発生するケース(変形性ヒザ関節症)が最多です。 変形性関節症は男性よりも女性に多く、45才を超えるとリスクが増加します。
今回の研究では、変形性膝関節症を抱える男女72人を2つのグループに分けて16週間にわたって、一方のグループにはブドウを皮ごとフリーズドライにした粉末を、そしてもう一方にはプラシーボを(たぶん食事に混ぜて)摂取してもらうという試験を行いました。

試験の主な結果は次の通りです:

  • ブドウ粉末を摂取したグループでは、活動時の膝の痛みが有意に軽減し(患者本人の自己申告による)、痛み以外の症状についても全体的に改善されていた。

  • ブドウ粉末のこの効果は男女共に見られたが、女性で顕著だった。

  • 64才以下の人においては、ブドウ粉末を摂取したグループで非常に激しい活動(very hard activity)の量が70%増加したのに対して、プラシーボを服用したグループでは非常に激しい活動の量が減っていた。

  • 一方、65才以上の人においては、ブドウ粉末のグループでもプラシーボのグループでも中程度~激しい活動の量が減っていた。

  • 男性においてのみ、ブドウ粉末のグループの方がプラシーボのグループよりも、IGF1(インスリン様成長因子1)という軟骨の成長因子の量が多かった。 IGF1 の増加は、軟骨の代謝が増加しているというエビデンスになる。 女性では両グループでのこのような違いは見られなかった。

  • 関節稼動域に関しては、ブドウ粉末とプラシーボのグループで違いはなかった。

  • 炎症の血中マーカー(IL1-β)は、ブドウ粉末とプラシーボの両グループで増加していたが、ブドウ粉末のグループの方が増加量が随分と少なかった。
研究チームは上記の試験とは別途に細胞を用いた実験も行いました。 この実験では、ポリフェノール類をブドウ(皮ごと)から抽出して、ポリフェノールの濃度を様々に変えて軟骨を処理し、それを炎症誘発剤で刺激してみました。

その結果、ポリフェノール類で処理した軟骨においては、ポリフェノール類の濃度が高いほど炎症誘発剤で刺激したときの(軟骨の)細胞分裂が有意に増加していました。

さらに、最も高い濃度(上位3つの濃度)のポリフェノール類で処理した軟骨では、軟骨分解のマーカーの量が、比較対照用の細胞(たぶんポリフェノール類も炎症誘発剤も使ってない軟骨細胞)や炎症誘発剤で処理した細胞よりも有意に減少していました。 このことから、ポリフェノール類に軟骨細胞を(炎症などによる分解から)保護する効果が示唆されます。