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赤ちゃんが薬を服用しているときに母乳を与えている母親がグレープフルーツを摂取しても大丈夫?

(2017年10月) "Plos One" に掲載された研究で、授乳中の女性がグレープフルーツジュースを飲んでも母乳中に含まれるナリンゲニンの濃度は増えないという結果になっています。

ナリンゲニンとは

ナリンゲニンは柑橘系の果物なかでもグレープフルーツに豊富に含まれるフラボノイドの一種で抗酸化・抗炎症作用があり、心臓病・脳卒中・肥満・糖尿病を予防する効果が期待されていますが、その一方で、薬の効果に干渉する(*)恐れがあります。
(*) 薬の効き目が薄れたり強くなり過ぎたりするほか、薬の成分が発ガン性を帯びる恐れも。

研究の方法

授乳中の女性14人を被験者として5日間の試験を行いました。 この5日間には、3日目にグレープフルーツ・ジュース(果肉が赤色のもの)を250ml飲むほかは、ナリンゲニンを含有する食品(*)を控えてもらいました。 そして、試験期間のあいだに母乳中のナリンゲニン濃度を何度か測定しました。

(*) 柑橘系の果物(ジュースや果肉)、トマト、トマトを含有する製品、方向を有するハーブ(食用のハーブを指すようです)など。

結果

  1. 試験期間の初日(普段の食生活で摂取するナリンゲニンの量が反映される)における母乳中のナリンゲニン濃度は、平均で823nmol/L(範囲は421~1569nmol/L)でした。
  2. ナリンゲニンの摂取を控え始めてから48時間後には、674nmol/Lにまでナリンゲニン濃度が低下しました。
  3. グレープフルーツのジュースを飲んだのち母乳中のナリンゲニン濃度が最高となったのは飲んでから4~12時間後にかけてで、4時間後の時点のナリンゲニン濃度は908nmol/L、12時間後のナリンゲニン濃度は869nmol/Lというものでした。

試験期間中を通して、母乳中のナリンゲニン濃度にはかなりの個人差がありました。

結論

この結果に基づき研究チームは次のように結論づけています:
「授乳中の女性が果肉が赤いグレープフルーツのジュースを250ml飲んでも、母乳中に含まれるナリンゲニンの濃度は変化しない(ナリンゲニンの濃度が増加する心配はない)」

今回の試験で飲んだグレープフルーツ・ジュースの量が250mlだったので、もっと大量に飲む場合には今回の結果は当てはまらない可能性があります。

フラノクマリン

グレープフルーツは「フラノクマリン」というフラボノイドも含有しており、このフラノクマリンも薬の効果に干渉することが知られていますが、フラノクマリンに関して今回と同じようなことを調べた研究は行われていないようです。