気持ちの悪いタバコのパッケージを見たときの喫煙者の脳の反応

(2016年2月) "Addictive Behaviors Reports" に掲載されたジョージタウン大学などの研究によると、タバコのパッケージを気持ちの悪い写真にしておくと、喫煙者がパッケージを目にしたときに脳の領域のうち意思決定や記憶などに関与する部分が反応します。出典: Graphic Cigarette Warnings Trigger Brain Areas Key to Quitting Smoking

この結果から、タバコのパッケージを気持ちの悪いものにしておくのが喫煙の抑制に有効だと考えられます。 若者や高齢者の脳をfMRIでスキャンした類似研究でも今回と同様の結果となっています。

研究の方法

18~30才の喫煙者19人にタバコのパッケージの画像64枚をそれぞれ4秒間ずつ見せて、パッケージを見た後にどれだけ喫煙を止めたくなるかを4段階で評価してもらったりfMRIで脳の様子を調べたりしました。 パッケージの中には喫煙による肺疾患・ガン・脳卒中・心臓発作・早死にのリスク増加を警告するパッケージも含まれていました。

警告的なパッケージは例えば、歯がボロボロになり下唇に腫瘍が生じている喫煙者の口腔内の写真に 「警告: 喫煙はガンの原因となります」 という警告文を添えたパッケージや、警告文だけのパッケージでした。

結果
被験者による評価
警告文だけのパッケージよりも、気持ちの悪い画像を伴うパッケージの方が「タバコを止めたい」という気持ちを引き起こす効果が強くなっていました。 プレーン・パッケージ(*)では、そのようなことはありませんでした。
(*) ブランド名を表示せず、絵も写真もデザインも用いない味気無いパッケージ。 無地の箱に警告文だけが印刷されている。
脳の反応
被験者が気持ちの悪い画像のパッケージを目にしたときには、扁桃体や前頭前野内側部など感情・意思決定・記憶に関与する脳の領域に反応が見られました。
  • 扁桃体は強い感情(特に恐怖と嫌悪感)に反応します。(つまり、気持ちの悪い画像により被験者が強い感情を抱いた) そして、強い感情を伴う経験は意思決定に影響する傾向にあります。
  • 前頭前野内側部は「自分に関係がある」という意識に関与していることが過去の研究で示されています。 そして人は、意思決定において自分に関係のある情報を重視する傾向にあります。
  • 扁桃体と前頭前野皮質の両方が活性化が健康関連の意思決定や健康と向き合う姿勢に影響することを示す研究が複数存在します。