花粉症の最中には海馬で作られるニューロンの量が増える

(2016年8月) "Frontiers in Cellular Neuroscience" 誌に掲載されたパラケルスス医科大学(オーストリア)の研究によると、花粉症が脳で作られるニューロンの量に影響する可能性があります。出典: Allergy Enhances Neurogenesis and Modulates Microglial Activation in the Hippocampus

研究の概要
マウスをオオアワガエリというイネ科の植物の花粉に暴露させたところ、アレルギー反応の最中には脳の海馬(*)において、作られるニューロンの数が増える一方でミクログリア(†)が不活性化しました。

(*) 学習や記憶に関わる脳の領域。 海馬では大人になってからもニューロンが作られ続けます。

(†) 脳において免疫細胞として機能する細胞。

海馬と同じように成人後にもニューロンが作られる脳の領域に脳室下帯と嗅球というものがありますが、これらの領域ではアレルギー反応によるニューロン生産量の増加は見られませんでした。

解説

細菌に感染したときにミクログリアが活性化することが他の研究で示されています。 今回の結果により、細菌とアレルギーとでは免疫系の反応が異なることが明らかになりました。

花粉アレルギーの結果として海馬で生じるニューロン新生量の増加が、学習・記憶能力に長期的に影響する可能性も考えられますが、現時点では純然たる仮説でしかありません。