ヒトに感染すると認知能力を低下させるウイルス

(2014年11月) "Proceedings of the National Academy of Sciences" 誌に掲載されたジョンズ・ホプキンス大学などの研究によると、ヒトの認知能力を下げるウイルスというものが存在します。

ATCV-1

このウイルスは ATCV-1(Acanthocystis turfacea Chlorella virus 1)というウイルスで、研究チームが喉の微生物の研究をしているときに健康な人たちからウイルスのDNAが偶然に検出されたました。 ATCV-1 は緑藻に感染するウイルスとして30年前に発見されたもので、世界中の淡水の湖や川に住んでいます。

認知機能への影響

90人の被験者のうち ATCV-1 に感染していたのは40人で、感染者は非感染者に比べて、学歴や年齢など認知能力に影響する要因を考慮してもなお、視覚処理能力(速度と正確さ)・空間認識能力・注意力などが劣っていました。 ATCV-1 による認知能力の低下が一時的か恒久的かは不明です。

感染ルート

ATCV-1 は、泳いだりウォータースポーツをする人だけが感染するわけでもないようで、したがってこのウイルスの感染源は緑藻だけではないと思われます。 ボウフラなどを宿主としている可能性もあります。

マウス実験
マウスに ATCV-1 に感染させるという実験を行ったところ、記憶力などの認知能力が衰えました。 さらに、ウイルスがマウスの遺伝子に影響を及ぼすことも示されました。 ウイルスの影響を受ける遺伝子には、ドーパミンの生産に関与する遺伝子も含まれていました。 ドーパミンは、記憶力・空間認識・感情に影響します。