緑茶の乳ガンと前立腺ガンへの効果

(2012年10月) "11th Annual International Conference on Frontiers in Cancer Prevention Research" において、緑茶にガンを抑制する効果があることを示す2つの研究が発表されました。

これまでにも緑茶に免疫系の強化や慢性病の予防・軽減などの効果がある可能性が示されていたものの、これらの効果を調べた研究に確定的なものはありませんでした。

乳ガン
コロンビア大学の研究です。
研究の方法

ホルモン療法に応答しないタイプの乳ガンの女性40人にプラシーボまたは市販の緑茶抽出物(数種類のポリフェノールを含有)を様々な濃度(緑茶に換算して8~24杯)で服用してもらいました。

結果

緑茶抽出物を2ヶ月間服用したグループでは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と肝細胞増殖因子(HGF)という腫瘍の増殖と拡散を促進する2種類の因子の体内量が有意に減少していました。

ただし、実験開始から4ヵ月後および6ヵ月後の時点ではプラシーボのグループと緑茶抽出物のグループとの間で VEGF および HGF の体内量の差は失われました。 この点に関して研究者グループは、被験者がきちんと緑茶抽出物(やプラシーボ)を服用していないからではないかと考えています。

前立腺ガン

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究です。

研究の方法

前立腺肥大または前立腺ガンのために前立腺を除去する予定の男性67人を被験者として、緑茶の抽出物ではなく緑茶をそのまま飲んだ場合の効果を調べました。

結果

男性たちに前立腺を除去する数週間前に緑茶または(プラシーボ的な意味合いで)水を毎日6杯飲んでもらったところ、緑茶を飲んだグループで、前立腺特異抗原(PSA。前立腺腫瘍の増殖時には多量のPSAが分泌されます)の量が有意に減少していました。

緑茶の前立腺ガンに対する効果も、乳ガンに対する効果の場合と同じメカニズムによるものと見られています。
補足
  • 今回の乳ガンの研究は、2009年にルイジアナ州立大学が発表した前立腺ガンに関する研究(今回発表されたのとは別の研究)に基づいています。 この2009年の研究では26人の男性に今回の乳ガンの研究と同じ緑茶抽出物製品を服用してもらって、今回と同じ腫瘍増殖因子が減少するという結果になっています。
  • WHOのデータによると、緑茶の消費量の多い日本では、前立腺ガンと乳ガンになる人の割合が米国の1/3です(ただし、緑茶だけが理由ではないかもしれません)。