緑茶に認知症予防の効果

(2016年9月) "The American Journal of Geriatric Psychiatry" に掲載された東北大学の研究によると、緑茶に認知症を予防する効果があるかもしれません。 緑茶の飲用量が多い高齢者は認知症になることが少なかったのです。

研究の方法
宮城県に住む65才超(平均は74才程度)の男女1万4千人近くを対象に、緑茶・コーヒー・紅茶・ウーロン茶の飲用量や生活習慣に関するアンケート調査を実施し、その後5.7年間にわたり認知症の発生状況を追跡調査しました。
今回の研究では、緑茶100mLを「1杯」とみなしました。
結果
5.7年間における認知症の発生率は8.7%でした。 緑茶の飲用量が多いと認知症の発症リスクが低下しており、1日あたりの緑茶飲用量が1杯未満というグループに比べて、飲用量が5杯以上というグループは認知症になるリスクが27%(*)低くなっていました。
(*) 病歴・教育水準・喫煙/飲酒習慣・BMI・運動量・社交活動・緑黄色野菜摂取量・コーヒー飲用量など認知症の発症リスクに影響する要因を考慮した後の数字です。

追跡期間の最初の時点で本人が記憶力に支障を感じていなかった 8,400人ほどに限ってデータを分析してもやはり、同様の結果(5杯超/日のグループでリスクが32%減)でした。

飲用量が少ないグループ

緑茶飲用量が1~2杯/日のグループや3~4杯/日のグループは、認知症のリスクに関して飲用量が1杯未満/日というグループとの間に統計学的な違いが見られませんでした(ただし、1~2杯/日のグループよりも3~4杯/日のグループのほうが認知症のリスクが低下する傾向は強まっていた)。

紅茶とウーロン茶

紅茶とウーロン茶については、認知症発症リスクとの間に統計学的に有意となる関係は見られませんでした。(コーヒーの飲用量は、緑茶と認知症リスクの関係に及ぼす影響を知るためにのみ調べたようです)

解説

過去の類似研究には、紅茶やウーロン茶には認知症予防の効果が無いという結果になったものや、紅茶は認知症予防に有効だが緑茶は有効ではないという結果になったものや、緑茶で高齢者の認知機能は改善されないが酸化ストレスが減少するぞという結果になったものがあります。

緑茶で認知症のリスクが低下するのは、緑茶カテキン(EGCG)など緑茶に特に大量に含まれている成分のお陰だと思われます。 EGCGには、抗酸化やプロテイン・キナーゼC(PKC)の活性化、鉄のキレート化などの作用があります。