(2018年5月) "*The BMJ*" に掲載されたグラスゴー大学(英国)の研究で、握力が弱い人は病気になったり死亡したりするリスクが高いという結果になっています。
研究の方法
英国に住む40~69才の健康な(*)男女50万人超(54%が女性)の握力を測定したのち5.3~9.9年間(平均7.1年間)にわたり、死亡リスクや心血管疾患(心臓病や脳卒中)・呼吸器疾患・ガンになるリスクを追跡調査しました。
(*) 心筋梗塞・狭心症・脳卒中・呼吸器疾患・COPD・ガンの病歴がない。
結果
握力
今回のデータの握力平均値は不明ですが、男性では握力が26kg以下の場合を、そして女性では握力が16kg以下の場合を「握力が弱い」とみなしました。死亡リスク
握力が5kg低くなるごとに死亡リスクが次のように増加していました:- 死因を問わない: 女性+20%、男性+16%
- 心血管疾患: 女性+19%、男性+22%
- 呼吸器系疾患(トータル): 女性+31%、男性+24%
- COPD: 女性+24%、男性+19%
- ガン(トータル): 女性+17%、男性+10%
- 大腸ガン: 女性+17%、男性+18%
- 肺ガン: 女性+17%、男性+8%
- 乳ガン: 女性+24%
- 前立腺ガン: 関係見られず
握力が弱いグループは弱くないグループとの比較では、女性の大腸ガン・肺ガン(男女とも)・前立腺ガンを除いて、握力が弱いグループで死亡リスクが増加していました。

病気になるリスク
握力が5kg低くなるごとに病気になるリスクが次のように増加していました:- 心血管疾患: 女性+15%、男性+11%
- 呼吸器系疾患(全体): 女性+22%、男性+17%
- COPD: 女性+20%、男性+15%
- ガン(全体): 女性+10%、男性+6%
- 大腸ガン: 女性+8%、男性+8%
- 肺ガン: 女性+15%、男性+8%
- 乳ガン: 女性+9%
- 前立腺ガン: 男性+4%