セリアック病の発症リスクはグルテンを与え始める時期に影響されない②

(2015年1月) "Pediatrics" 誌オンライン版に掲載されたルンド大学(スェーデン)の研究で、セリアック病の発症リスクとグルテンを与え始める時期とのあいだに関係はないという結果になりました。

研究の方法

この研究では、スェーデン、フィンランド、ドイツ、および米国の新生児の中からセリアック病のリスクが遺伝子的に高い 6,436人を選出し、5年間(中央値)にわたり追跡調査しました。

結果

6,436人のうち追跡期間中にtTGA(組織トランス・グルタミナーゼ抗体)が陽性となったのは12%、セリアック病を発症したのは5%でした。

出身国・HLA抗原・性別・セリアック病の家族歴などの要因を考慮した結果、子供にグルテンを含む食事を与え始める時期が生後17週目より前の場合と生後26週目より後の場合とで、セリアック病発症リスクにもtTGA陽性のリスクにも違いは見られませんでした。

結論
この結果に基づき研究チームは、グルテン食導入の時期は5才までのセリアック病発症に関して独立的なリスク要因とはならないとしています。
ガイドラインにも

2016年1月に、「欧州小児消化器病・肝臓・栄養学会」が "Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition" において、「グルテンを与え始める時期はセリアック病の発症リスクに影響しない。 生後4~12ヶ月のどの時点で与え初めても良い」というガイドラインを発表しています。

同学会が 2008年に発表したガイドラインでは「セリアック病の発症リスク低減という観点からは、グルテン食を導入する時期は生後4~7ヶ月で未だ母乳を与えている頃が良い」とされていましたが、その後に行われた観察研究や臨床試験の結果に基づきガイドラインが変更されました。