リウマチの原因は腸内細菌? 診断や治療への利用も

(2016年7月) メイヨー・クリニック(米国)の2つの研究によると、関節リウマチ(以下「リウマチ」)には腸内細菌が関与している可能性があります。 リウマチの診断や治療に腸内細菌を利用できるかもしれません。出典: Study: Gut Bacteria Can Cause, Predict and Prevent Rheumatoid Arthritis
リウマチ
リウマチは関節が腫れて痛むという自己免疫疾患です。 免疫系が誤って自分自身の体を攻撃してしまうために、関節周辺の組織が分解されて腫れが生じ、骨が蝕まれ、関節が変形します。 リウマチは関節に生じることが多いのですが、皮膚・眼・心臓・肺・欠陥などに生じることもあります。 リウマチが発生するそのプロセスは完全にはわかっていません。
診断への利用

"Genome Medicine" に掲載された研究では、健康な人の腸内にははあまり見られないコリンゼラ属の腸内細菌が細菌がリウマチ患者には大量に存在し、それが腸内細菌のバランスを崩していることがわかりました。 コリンゼラ属の腸内細菌の有無をリウマチの診断に利用できるかもしれません。

治療への利用

"Arthritis and Rheumatology" に掲載された研究で、リウマチを発症しているマウスにプレボテラ属の腸内細菌を投与するという動物実験を行ったところ、プレボテラ菌を投与されなかったグループに比べてプレボテラ菌を投与されたグループは、リウマチの症状の頻度と重症度が軽減されていました。

リウマチの薬では体重増加や絨毛萎縮(*)などの副作用が生じることがありますが、プレボテラ菌の投与ではそういった副作用がほとんど見られませんでした。
(*) 腸が栄養を吸収できなくなる。
プレボテラ菌のヒトでの効果を調べる試験はこれからですが、マウスとヒトは免疫系に関しても関節炎に関しても似ているので、ヒトにおいてもリウマチの治療にプレボテラ菌が有効であることが期待されます。 また、プレボテラ菌はヒトの腸にも自然に存在しているので、副作用もあまり無いと思われます。