食事だけでなく運動も腸内細菌の多様性に影響する

(2014年6月) "Gut" 誌に掲載された研究によると、運動も腸内細菌の多様性に影響すると考えられます。 肥満者では腸内細菌の多様性が損なわれていることが知られているほか、腸内細菌の多様性は免疫機能や代謝プロファイルにも関わってきます。
研究の方法
シーズン前の合宿に参加しているプロのラグビー選手40人、および健康な普通の男性46人(*)を対象に、血液と大便のサンプルを採取して、過去4週間の食事の量・内容・頻度と普段の運動量に関するアンケートを実施しました。
(*) 年齢と体格はラグビー選手と同程度。 BMI が25以下のサブグループ(以下「低BMIグループ」)と、BMI が28以上のサブグループ(以下「高BMIグループ」)から成る。
結果

ラグビー選手のグループと普通男性のグループとを比較したところ、筋肉/組織の損傷を示すクレアチンキナーゼの血中量はラグビー選手グループの方が有意に多かったにも関わらず、炎症の程度を示すマーカーの血中量は普通男性グループの方がラグビー選手グループよりも多くなっていました。 代謝プロファイルに関しても、ラグビー・グループの方が高BMIグループよりも良好でした。

そして、ラグビー・グループの方が、普通男性グループ(特に高BMIグループ)よりも腸内細菌の多様性において優れていました。 ラグビー・グループから検出された腸内細菌の種類数が、タクソン(門・綱・目・科・属など)単位で数えて、高BMIグループに比べて48種類、低BMIグループに比べても40種類も多かったのです。

ラグビー選手のグループでは特に、ウェルコミクロビウム門アッケルマンシア科の細菌の割合が多いのが目立ちました。 この細菌が多い人には、肥満および肥満に起因する代謝異常のリスクが少ないことが知られています。

食事に関するアンケートを分析した結果からは、ラグビー選手が肉を良く食べるが野菜と果物も良く食べ、その一方で、普通男性グループに比べて間食が随分と少ないことが明らかになりました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の研究では、腸内細菌と、宿主(腸内細菌が住み着いているヒト)の免疫、宿主の代謝の関係において運動が食事と並んで重要な要因であることが示されました」