腸内細菌叢は1日のうちにも周期的なサイクルで変化している

(2014年12月) "Cell Metabolism" 誌に掲載された Salk Institute(米国)などの研究で、マウスの腸内細菌叢(腸内細菌の構成)が1日のうちにも周期的なサイクルで変化していることが明らかになりました。 例えば、夜間には特定の種類の腸内細菌が増加し、昼間には別の種類の腸内細菌が増加するという具合です。

研究者は次のように述べています:
「従来の考えでは、腸内細菌には善玉と悪玉が存在するということでしたが、今回の研究によると話はそう単純ではなくて、1日のうちの時間帯によって必要となる腸内細菌が異なると考えられます」
研究の方法

マウスに通常のエサまたは高脂肪のエサを与えて、両グループのマウスの腸内細菌叢を4時間ごとに調べるという実験を行いました。

結果

夜間にエサを食べて昼間に眠るという通常の生活パターンを送るマウスでは、一部の種類の細菌の量が時間帯によって変動していました。 しかしながら、24時間のべつまくなしに高脂肪のエサを食べて肥満し、2型糖尿病を発症したマウスでは、このような腸内細菌叢のサイクルが乏しくなっていました。

時間帯による細菌量の変動は複数の種類の腸内細菌で見られましたが、その中にファーミキューテス菌も含まれていました。 ファーミキューテス菌は肥満者の腸内に多く存在することが知られています。

健康な(太っていない)マウスの腸内においてファーミキューテス菌は、食事が行われる夜間に増加し、食事をしない昼間に減少していました。 一方、肥満マウスでは、ファーミキューテス菌が常に大量に存在していました。

この結果から、健康にとって重要なのが特定の腸内細菌が多いか少ないかではなく、腸内細菌の増減であることが示唆されます。

さらに、肥満マウスが(高脂肪の)エサを食べれる時間帯を夜間だけに制限するようにしたところ、一部の腸内細菌の量が1日のうちに変動するようになりました。 ただし変動を示した腸内細菌の種類は、通常のエサを与えられているマウスほど多様ではありませんでした。
参考記事

今回の研究ではさらに、腸内細菌叢の変動によって胆汁酸の量が変動することも明らかになりました。 胆汁酸はコレステロールの量や、脂肪の吸収、体全体の代謝において重要な役割を果たしています。

研究グループは、腸内細菌叢の変動サイクルが失われることによって胆汁酸の量の変動が影響を受け、それによって代謝病のリスクが高まるという仮説を立てています。

研究者によると、乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取するタイミングも大切かもしれません:
「プロバイオティクスを服用する時間帯がプロバイオティクスの効果に影響する可能性があります。 体に良いはずのプロバイオティクスであっても服用のタイミングが悪ければ、腸内細菌叢の変動サイクルに悪影響を与えてしまう可能性があります。 逆に、そのプロバイオティクスが腸内で自然と増加するようなタイミングで服用すれば、腸内細菌叢の健全な変動サイクルを維持するのに役立つかもしれません」