腸内細菌と気分性障害の関係(レビュー)

(2019年3月) 中国の研究グループが腸内細菌と気分性障害との関係についてこれまでの研究結果をまとめたレビューを "Frontiers in Genetics" 誌に発表しています。

レビューの概要

  1. 腸内細菌は腸と中央神経系のあいだの双方向性のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす。
  2. 腸内細菌が神経系のほか神経免疫的および神経内分泌的な経路を介して脳機能に影響しうるという研究結果が増えつつある。
  3. これまでの研究に目を通したところ、気分障害の患者は腸内細菌の種類構成や多様性が健常者と異なることが示されていた。
  4. こうした研究の大部分は、抑鬱が生じている患者において短鎖脂肪酸(SCFA)を生産するタイプの腸内細菌が少ない一方で炎症を促進するタイプの腸内細菌と脂質の代謝に関与する腸内細菌が多いことを示している。
  5. また、双極性障害(躁うつ病)の患者や鬱病の患者では、放線菌門の細菌(Actinobacteria)と腸内細菌科の細菌(Enterobacteriaceae)が多く見られる一方で、フィーカリバクテリウム属の細菌(Faecalibacterium)が少ない。
  6. 一部の研究では、特定のタイプの腸内細菌と患者の特定の状態(炎症・代謝・薬物の服用)との間の関連性が示されている。