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腸内細菌がヒトの食事をコントロール!?

(2012年12月) フランスの研究グループが、腸内細菌がヒトの食欲に影響を与えているという仮説を "Journal of Bacteriology" に発表しています。

研究グループは、細菌が神経内分泌ホルモンを認識および合成していることから、腸内細菌がコミュニティーを形成し、そのコミュニティーが1つの器官となって哺乳類の腸神経系(消化管を支配する神経系)と相互に影響しあっているという仮説を立てました。

仮説の内容

この腸内細菌コミュニティーは、ヒトが摂取する栄養分とヒトの体の状態とを(ヒトが分泌する)様々なホルモンを通じて把握しその両方に反応しますが、研究グループの仮説によれば、この腸内細菌コミュニティーはヒトの体に反応するだけでなく、自ら生産した化合物によって人体にシグナルを送り影響を及ぼします。

腸内細菌コミュニティーは例えば、γ-アミノ酪酸 "GABA" や、チロシン、トリプトファンなどのアミノ酸を生産しますが、これらがドーパミンやセロトニンなどヒトの気分に影響を与える分子に変換される可能性があります。

仮説を支持する材料

近年の様々な研究により、腸内細菌がガン・代謝病・甲状腺疾患などの病気に関わっている可能性や、ドーパミンや食欲に作用するペプチド類(複数のアミノ酸から成る)などを通じて気分障害の一因となっている可能性が指摘されています。 例えば、マウス実験により腸内細菌の一種である Campylobacter jejuni が不安感を誘発することが示されています。

必要とされる研究
研究グループによると、腸内細菌がヒトの食事内容まで左右しているかどうかを明らかにするには、腸内細菌の代謝体の存在とヒトの脳の食欲と快感を司る領域の活動の様子を関連付ける研究が必要になります。