幸福感の7つの要素。 収入により幸福感の内容が異なる?

(2017年12月) "Emotion" 誌に掲載されたカリフォルニア大学アーバイン校の研究によると、裕福な人と裕福でない人とでは感じる幸福感の内容が異なります。

研究の方法

米国に住む24~93才(平均50才)の男女 1,519人に次の2点を尋ねました:
  1. 世帯収入
  2. 幸福感を構成する7つの要素をそれぞれどの程度感じているか

幸福感を構成する7つの要素

幸福感を構成する7つの要素は次のようなものです:
  1. 誇り: 社会的に評価される事柄で成功を収め、自分が所属するコミュニティー内における立場が強化されたときに味わう気持ち。
  2. 充足感: 現在の(順調な)生活や最近の成功に思いを巡らすときに味わう気持ち。
  3. おかしさ: 例えば冗談の「落ち」のように目標の完遂に際して1つの知識構造から別の知識構造へと認知的に移行するときの感覚、だそうです。
  4. 愛情: 他人を信頼して依存する気持ち。
  5. 慈しみ: 他人を気にかけ必要とあらば世話をしたがる気持ち。
  6. 畏敬: 「美しさな」どのように完全には理解できない複雑な刺激を受けた時の感覚。
  7. 情熱: 欲求行動の動機となる報酬を予期する気持ち。「明日は何か良いことありそう」とか「人生は可能性に満ちている」とか?

結果

社会経済的状態(収入・職業・学歴など)が高い人は、幸福の要素のうち充足感・誇り・楽しさといった自分志向の幸福要素を強く感じる傾向にありました。

その一方で社会経済的状態が低い人は、幸福の要素のうち慈しみ愛情といった他人志向の幸福要素を強く感じる傾向にありました。

また、社会経済的状態が低い人のほうが高い人よりも、自分の周囲の世界に対する畏敬を感じることが多いこともわかりました。

解説

社会経済的状態が高い人は自分が社会的に達成したものに幸せを感じ、社会経済的状態が低い人は他人との人間関係に幸せを感じるのだと考えられます。

研究者によると社会経済的状態によって幸福感の内容が異なるのは、社会経済的状態が高い人と低い人とで他人に依存する必要性の程度が異なるからかもしれません。 「経済的に豊かでない人は他人と支えあって生きてゆく必要があるために、他人志向の幸福感を感じるようになるのではないか?」ということです。