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頭痛の種類 ~原因と対策~

頭痛には85種類もあると言われていますが、多くの頭痛は原因となる疾患が別途に存在しないのに起こります。 このような頭痛のことを「原発性(一次性)頭痛」と言いますが、この原発性頭痛が起きるのは、脳の痛みを感じる構造が過剰に活動しているか、あるいはこの構造に問題があるためです。

原発性頭痛には、①脳内の化学物質の活性や、②頭蓋骨の外側に存在する神経や血管、③頭部や首の筋肉が関与しています。 ①~③が複合的に関与していることもありますし、体質(遺伝子)的に頭痛が起こりやすいというケースもあります。

頭痛が深刻な病気の兆候であることは少ないのですが、痛みが尋常ではない場合、あるいはこれまでに経験したことがない他の症状を伴う場合には医師の診察を受けておくと安心です。 また、頭痛が起こるたびに記録を付けるようにしておくと、医師が頭痛の種類を特定する際に役立ちます。

頭痛の種類とその対策については以下をごらん下さい:

緊張性頭痛

頭痛の理由として最も多いのがこの頭痛です。 ズキズキとする痛みではなく、頭の両側または頭と首の後ろ側がキリキリと痛みます。 この種の頭痛の原因は、ストレス、不安、姿勢の悪さ、歯の噛み締めすぎなどです。 ひどい頭痛になることは少ないですが、慢性化することがあります。

このタイプの頭痛には、イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの市販の頭痛薬が効きます。 マッサージや鍼灸も有効です。

緊張性頭痛と首の筋肉

頻繁に緊張性頭痛になるという人では、板状筋(首の背中側に存在する筋肉)が弱く、頭長筋(首の胸側に存在する筋肉)との筋力バランスが崩れているのが緊張性頭痛の原因であることがあります。 板状筋が弱くなるのは、PCや、ラップトップPC、タブレットなどの使用により頭を前に突き出す姿勢が長時間続くのも一因です。

さらに、緊張性頭痛が頻繁に起こる人は僧帽筋が弱いという報告があります。 そして、緊張性頭痛のある人は首の痛みを訴えることが多いというデータと、首の痛みには僧帽筋を鍛えるのが有効だというデータもあります。

したがって、緊張性頭痛が頻繁に起こるという人は、首の後ろ側の筋肉と僧帽筋を鍛えると良いかもしれません。

群発性頭痛

頭の片側(特に目の裏あるいは周辺部)に生じる激しい頭痛ですが、比較的短時間(15分~3時間)で収まります。 頭痛が発生している側または両側の眼や鼻が充血することがあります。 偏頭痛とは逆に女性より男性に生じることが多い(女性の4倍の発生率)のですが、痛みのひどさは偏頭痛以上だと言われています。

群発性頭痛は季節の変わり目に起こるケースが大部分で、特定の期間のあいだに何度も繰り返し生じます。 飲酒、喫煙、高山病、特定の食事などが群発性頭痛のリスク要因であるので、群発性頭痛が生じそうな時期にはこれらを控えると良いでしょう。

群発性頭痛は市販薬が効かないこともありますが、そういう場合にはメラトニンや酸素補給(純度100%の酸素を10~15分)が有効です。 処方薬では、偏頭痛用の薬であるトリプタンや、高血圧の薬であるベラパミル(カルシウム拮抗薬)などが群発性頭痛に効くことがあります。

偏頭痛

偏頭痛はひどい痛みの頭痛で、頭痛に加えて光・音・匂いに敏感になったり、気分が悪くなったり、嘔吐したりします。
味覚と嗅覚も
モンテフィオーレ頭痛センターなどが行った調査(2016年)によると、偏頭痛の発作の影響は視覚や聴覚だけでなく味覚や嗅覚にも現れる可能性があります。 ネットの検索で「偏頭痛」という言葉と「タバコの匂い」、「動物の匂い」、「金属の味」などのキーワードを組み合わせて検索する人が多かったのです。

偏頭痛の種類

1ヶ月に偏頭痛の症状が出るのが14日以下の偏頭痛のことを突発性偏頭痛と言います。 これに対して偏頭痛の症状が出るのが1ヶ月のうちの15日以上であるのが慢性偏頭痛です。

偏頭痛と症状が似ている新型慢性連日性頭痛(new daily persistent headache)というタイプの頭痛もあります。

偏頭痛になりやすい人

女性の方が男性の三倍も偏頭痛になりやすいというデータがあります。 また、偏頭痛に遺伝的な要因があることも知られており、偏頭痛の家族歴がある人は偏頭痛のリスクが高くなります。

子供の偏頭痛

子供も偏頭痛になることがあります。 American Migraine Foundation(米国偏頭痛協会)の統計によると子供では6%、15~17才のティーンエイジャーでは25%超が偏頭痛を経験しています。

頭痛を訴える子供が以下に該当するときには偏頭痛が疑われます:
  • 吐き気を訴えたり、嘔吐したりする
  • 腹部の痛みを訴える
  • 光・匂い・音に対して過敏になる
  • 暗い部屋で横になりたがる。

強い頭痛を訴える子供には医師の診察を受けさせましょう。

偏頭痛の原因とリスク要因

偏頭痛の仕組みは未だ明らかでありませんが、脳の活動が血管と神経細胞の機能に影響して生じている可能性があります。 偏頭痛患者は脳の構造からして異なるという話もあります。

偏頭痛のリスク要因は、睡眠習慣・ストレス・食習慣・天候・飲酒習慣・ホルモンなどの変化です。 食事を抜いたり夜更かししたりするのが偏頭痛の原因になることがあります。 妊娠や更年期によって偏頭痛の症状に変化が生じる(軽減または悪化したり、新規に発症したりする)ことが知られてますが、これも恐らく妊娠によって女性ホルモン(エストロゲン)の量が増加するためだと思われます。

2016年に "Cephalalgia" 誌に掲載された研究(被験者数326人)によると何が偏頭痛の引き金となるかは人それぞれで、偏頭痛患者の85%はその人ならではの何らかのきっかけによって偏頭痛が生じます。

しかしながら 2015年に "The Journal of Head and Face Pain" に発表された研究では、偏頭痛のリスク要因やきっかけは様々であっても結局は酸化ストレスの増大により偏頭痛が起こるのではないかという結論になっています。 脳が酸化ストレスから自らを守ろうとして偏頭痛が生じるのではないかというのです。

偏頭痛の対処法

効果には個人差がありますが、次の方法が偏頭痛の症状緩和や予防に有効かもしれません:
  • セトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販薬を飲む。
  • サウナやスチームバスで体を温める。
  • 温熱シートで頭を温める。
  • リラックス(ストレス解消)する。
  • 毎日コップに7杯の水を飲む。
  • 抗酸化物質を服用する。
  • 葉野菜を積極的に食べる。
  • 血圧やコレステロールをコントロールする。
  • 禁煙する。

慢性の頭痛

三ヶ月以上にわたって、ひと月当たり15日以上頭痛の日があるなら、それは慢性連日性頭痛(chronic daily headache)です。 原因は様々で、痛み止め薬の飲みすぎ(リバウンドによる頭痛)、頭部の損傷、または稀なケースとしては脳髄炎や腫瘍などです。 いずれが原因であっても自分で対処するのは難しいでしょうから、病院に行くのが良いでしょう。

歯や顎が原因の頭痛

睡眠中の歯ぎしりや顎関節機能不全(TMJ)など、頭痛の原因が歯にあることもあります。 TMJは、顎の整合に問題がある場合のほかストレス・姿勢の悪さ・関節炎なども原因になります。 頭痛の原因が歯や顎にある場合は、歯科医に診てもらいましょう。

歯や顎が原因の頭痛には、顎のストレッチ・温湿布・冷湿布、ストレス解消・マウスピースなどで対処します。 ガムを噛むのが頭痛の原因になることもありますが、その場合にはガムを噛むのを止めて様子を見ます。

鼻づまりによる頭痛

偏頭痛と症状が似ているため、鼻づまりによる頭痛が実は偏頭痛であるケースが非常に多いです。 どちらの頭痛でも、鼻の圧迫感、鼻づまり、涙目などの症状が起こります。 本当の鼻づまりによる頭痛であるのは感染症による場合で、緑色や黄色など色の付いた鼻水が目印です。 吐き気や光過敏症などを伴う頭痛は偏頭痛です。

咳による頭痛

咳やクシャミをする、鼻をかむ、声を上げて泣く/笑う、歌う、大便(特に便秘)をするなどがきっかけとなって生じる、刺すような頭痛あるいは割れるような頭痛です。 一般的には、頭部の左右両方に痛みが出て、頭の後ろが特に痛みます。

頭痛の継続時間は短く数秒~数分間というのが一般的ですが、30分ほども続くケースもあります。 頭痛がひとしきり収まった後にも、 鈍い痛みが数時間ほど続くことがあります。

咳による頭痛は、脳の血管・小脳・頭蓋骨などの異常、あるいは脳腫瘍が原因であることがあり、その場合には、痛みが長く続いたり、めまい・ふらつきを伴うことがあります。

その一方で、特に40才以上の男性では、脳に特段の異常が無くてもが咳による頭痛が生じることがあります。 異常が無い人でも咳による頭痛が起こるのは、咳などによって筋肉が緊張するためではないかと推測されています。

リバウンドによる頭痛

市販の痛み止めの薬をひと月当たり10日以上飲むということを数ヶ月も続けると、リバウンドによる頭痛が起こる可能性が出てきます。 自分で治すのは無理なので、医師に相談しましょう。

アイスクリームを食べたときの頭痛

子供の頃からおなじみの頭痛ですね。 こんな頭痛にも sphenopalatine ganglioneuralgia という立派な病名があります。 偏頭痛持ちの人は、この手の頭痛になりやすいそうです。 ぬるま湯を飲むと治ります。

生活習慣による頭痛

朝食を抜いたり睡眠をしっかりと取らなかったりするのも頭痛の原因となることがあります。 暑い時期には水分不足が頭痛の原因であることも少なくありません。

コーヒーを毎朝飲むなどカフェインを毎日摂取している人は、カフェインを取らない日に頭痛になることがあります。 カフェインの摂取量が多いほど、このリスクは増加します。

眼の使いすぎも頭痛の原因になり得ます。 例えば、眼が悪い子供が教室の後ろの方から黒板を見ようとして目を凝らすのが頭痛の原因になっていることがあります。

運動による頭痛

走る・泳ぐ・ボートを漕ぐ・重量挙げをする・テニスをするなどの力を使う運動をした後、あるいはしている最中に生じる頭痛です。

筋肉を使うことで起きるという点で「咳による頭痛」と似ていますが、こちらの頭痛はズキズキと痛むタイプの頭痛です。 頭の左右両側が痛むのが一般的です。 このタイプの頭痛は、暑い、あるいは(山の上など)高度が高い環境で起こりやすくなるほか、家族や本人が偏頭痛持ちである場合にもリスクが高くなります。

この頭痛に関しても、他に深刻な病気が隠れている場合と、そうでない場合とがあります。 運動による頭痛の原因となり得るのは、くも膜下出血や、脳内の(または脳につながる)血管の異常、腫瘍、心臓疾患、鼻の感染症などです。

何らかの病気が原因で運動による頭痛が生じる場合、頭痛の継続時間は5分~48時間と比較的短時間になります(病気が原因でない場合には1日~数日間以上も頭痛が続く)。 嘔吐や、意識喪失、物が二重に見える、首の硬直などの症状を頭痛が伴う場合には、何らかの病気が原因になっている可能性があります。

起床時の頭痛

眼が覚めると頭が痛かったというのには、いくつかのケースがあります。 偏頭痛は朝方に起こることが多いです。 寝る前に飲んだ薬の効果が寝ている間に切れたリバウンドで頭痛になっている可能性もあります。 また、睡眠時無呼吸症候群や上述の歯ぎしりが原因の頭痛の場合にも起床時に頭痛になることが多いです。 ごく稀に脳腫瘍が原因の場合もあります。

週末の頭痛

いくつかの原因が考えられます。 眠りすぎ、前日の夜更かし、平日に毎日飲んでいるコーヒー(カフェイン)を飲まないなどです。仕事の日に感じているストレスが大きいと、ストレスから開放されるのが原因で頭痛になることもあります。 これらが原因の頭痛には、市販の頭痛薬も効果がありますが、眠りすぎなど頭痛の原因を除くことでも治ります。

頭痛の原因となる病気

頭痛が症状となる危険な病気には次のようなものがあります:
  • 側頭動脈炎: 片側または両側のこめかみに頭痛が起こり、食べ物を噛んだり頭皮を押したときにも痛みが走ります。 側頭動脈炎では視界に異変が生じます。 側頭動脈炎を放置していると失明することがあります。
  • 閉塞隅角緑内障: 強い頭痛だけでなく、眼あるいは眼の奥にも痛みが生じます。 閉塞隅角緑内障の他の症状は、眼の充血、流涙、眼のかすみ、吐き気、光感受性(光に過敏になる)などです。 閉塞隅角緑内障は、放置していると失明の原因になります。
  • 偽性脳腫瘍: 朝の起床時に頭痛が起きることが多く、頭痛が吐き気や嘔吐を伴う場合には、偽性脳腫瘍(特発性頭蓋内圧亢進症)である可能性があります。 偽性脳腫瘍は脳腫瘍が存在しないのに頭蓋内の圧力が高くなるという病気で、肥満が大きなリスク要因となります。 放置しておくと失明することもあります。 治療には主に薬が用いられます。
  • 髄膜炎: 頭痛以外に、吐き気や、嘔吐、首筋の硬直、高熱、寒気、漠然とした不快感などがある場合には髄膜炎かもしれません。 髄膜炎とは、脳や脊髄の表面をおおっている髄膜に重度の炎症が生じている状態を指します。 炎症の原因は主として細菌やウイルスです。 治療には抗生物質が用いられます。
  • 脳卒中:強烈な頭痛が突然生じて、体の片側の感覚が無くなる・視界が半分になる・言葉を喋れなくなるなどの症状が出たら脳卒中かもしれません。 脳卒中は発生後に速やかな治療が必要になるので、大至急救急車を呼びましょう。参考記事: 若い人でも(子供でも)脳卒中の症状に注意が必要
  • 中大脳動脈瘤: 動脈の破裂時には「これまでで最もひどい頭痛」と形容されるようなひどい頭痛が起こります。 動脈瘤は破裂する前に発見されれば治療が可能です。 破裂してしまった中大脳動脈瘤は直ちに治療をしなければ命に関わります。 破裂前の動脈瘤は無症状であることも多いのですが、頭痛がしたり、物が二重に見えたりするなどの症状が出ることもあります。
突然の爆発的な頭痛や、高熱または極度の血圧上昇を伴う頭痛、頭部に打撃を被ったり激しく体を動かした後の頭痛の場合には救急車を呼びましょう。 視覚・会話能力の変化、頸部硬直、めまい、感覚喪失、体の片側のみの脱力感などの症状を伴う頭痛も危険ですので救急車を呼んでください。

妊娠と頭痛

妊娠中の頭痛の90%は偏頭痛または緊張性頭痛などであり、健康上の深刻な問題とは関わりがありません。 しかし、妊娠中には、何らかの病気の兆候として生じる続発性(二次性)頭痛のリスクが増加します。
  • 偏頭痛と妊娠高血圧腎症
    偏頭痛は女性に多く、中でも出産可能年齢の女性に多く見られます。 妊娠中には前兆(オーラ)が無いタイプの偏頭痛の頻度と重症度は減少しますが、偏頭痛の病歴のある女性では妊娠高血圧腎症のリスクが2倍に増加します。
  • 特発性頭蓋内圧亢進症
    妊娠中の頭痛の原因が「特発性頭蓋内圧亢進症」であることがあります。 特発性頭蓋内圧亢進症とは、頭蓋骨内に圧力が蓄積するという珍しい病気ですが、出産適齢期の肥満女性に多く見られます。 特発性頭蓋内圧亢進症は直ちに治療をしないと致命的となることもあります。
  • 脳静脈血栓症
    脳静脈血栓症という病気も妊娠によってリスクが増加します。 脳静脈血栓症では、硬膜静脈洞という脳から出て行く血管に血栓が生じます。 脳静脈血栓症のリスクは帝王切開・全身性の感染症・嘔吐・貧血により増加します。 脳静脈血栓症の症状として最も多く、また最初に現れることが多いのが頭痛で、脳静脈血栓症の80~90%で頭痛が見られます。
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