心臓発作を起こした後には食物繊維で生存率が向上する

(2014年4月) "*The BMJ*" に掲載された米国のメタ分析によると、心臓発作(心筋梗塞)に見舞われた後には食物繊維(特に穀類に含まれるもの)の摂取量を増やすことで早死にのリスクが減少する可能性があります。出典: Dietary fiber intake and mortality among survivors of myocardial infarction: prospective cohort study

このメタ分析のデータのうち、心臓発作後の9年間における食物繊維摂取量が最大だったグループでは、摂取量が最少だったグループに比べて早死にのリスクが25%低下していたのです。 1日あたりの食物繊維摂取量が10g増えるごとに、9年間における死亡率が15%低下するという計算になります。

食物繊維を多く摂っている人では冠状動脈疾患のリスクが減少することは良く知られていますが、心臓発作後に食物繊維が有効であるかどうかはこれまで不明でした。

研究の方法

今回のメタ分析のベースとなったのは医療関係者を対象に行われた2つの研究で、いずれの研究でも生活習慣に関するアンケートを2年ごとに実施しました。 データに含まれる心臓発作患者は、女性 2,258人、男性 1,840人で、このうち9年間の追跡期間中に亡くなったのは女性 682人、男性 451人でした。

結果

食物繊維の摂取量に応じて、データを5つのグループに分類して比較したところ、食物繊維の摂取量が最大のグループ(上位20%)では、最少のグループ(下位20%)に比べて早死にのリスクが25%低下していました。 早死にの原因を心血管疾患(心臓発作、脳卒中、冠状動脈疾患)だけに限ると、この両グループの死亡率の差は13%でした。

さらに、食物繊維を含む食品の種類別でデータを見たところ、穀類(米・麦・トウモロコシなど)に由来する食物繊維が心臓発作後の生存率向上に寄与しており、果物や野菜に由来する食物繊維は生存率にあまり影響していませんでした。(参考: 食物繊維の種類 穀類の食物繊維は主に、朝食で食べるシリアル(コーンフレークなど)によって摂取されていました。

この結果は、心臓発作後の生存率に影響すると考えられる年齢・病歴・食事習慣・生活習慣などを考慮したうえでのものです。

解説

食物繊維は、血中脂肪値の改善や、高血圧・肥満・糖尿病などのリスクの低下などに効果があると考えられています。

日本における食物繊維の推奨摂取量は男性で19g、女性で17gです。 ちなみに米国では男性38g、女性25g、そして英国では(男女共通で)18gです。