心不全の予防やコントロールに役立つ食生活 (レビュー)

(2018年8月) 聖マイケル病院(アイルランド)の医師が心不全の予防やコントロールに役立つ食生活についてまとめたレビューを "Nutrition Research Reviews" 誌に発表しています。

レビューの要旨

  1. 心不全の予防にもコントロールにもDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)と呼ばれる食事法とメディテラネアン・ダイエットが有益だと思われる。 これまでの研究で、この2つの食事法の心不全に対する有益性が一貫して示されている。
  2. 食品の種類で言えば、果物・野菜・豆類・全粒穀物心不全に対して有益であるように見受けられる。
  3. その一方で、赤身肉・加工肉・卵・精製された糖質(精白された穀類や、砂糖などの糖類)は(心不全において)有害かもしれない。
  4. 魚・乳製品・鶏肉については心不全への影響が不明確である。
  5. まとめると、心不全の予防やコントロールには、①植物性食品を中心とし、②抗酸化物質・微量栄養素・窒素・食物繊維の摂取量が多く、③飽和脂肪・トランス脂肪・ナトリウムの摂取量が少ない、そんな食生活が有益であると思われる。
  6. 上述の食生活は、①酸化ストレス・ホモシステイン・炎症の抑制、および②抗酸化防御・体内における窒素の利用可能性・腸内細菌の種類構成の改善により心不全の予防やコントロールに効果を発揮するのだと考えられる。
  7. 食生活の心不全への影響を調べた研究は(観察研究が主で)介入研究(今回の話で言えば、被験者の食生活を研究グループが管理する研究)が著しく不足している。 早急にランダム化比較試験(介入研究の一種)を実施することが望まれる。

DASHについて

DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)は高血圧を予防することを目的として考案された食事法です。

DASHでは、①野菜・果物・全粒穀物・ナッツ類・豆類を積極的に食べ、②赤身肉・糖類・塩分を控えめに摂り、③低脂肪の食事を心がけます。

DASHダイエットは、血圧を下げる効果とLDLコレステロールを下げる効果が認められており、心臓や血管などの健康に良いとして推奨されています。